経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

11の事業を展開する中で集まった人材が次のビジネスを作り出す―アイセ・リアリティー

アイセ・リアリティー社長 湯本正基(ゆもと・まさき)


オフィス賃貸、太陽光発電、食品小売、事業開発、ホテル、人材派遣、海外物流、美容、総合保険、シニアカー販売、セレモニーなど計11の事業を展開するアイセ・リアリティー。各事業の会社が収益を補完し合うことで、コロナ禍でも堅実経営を続けている。

アイセ・リアリティー社長 湯本正基(ゆもと・まさき)
アイセ・リアリティー社長 湯本正基(ゆもと・まさき)

 1987年創業のアイセ・リアリティーは2009年から新規事業に進出し、現在では11事業15社にまで拡大している。

 「8年程前、当時関わりのあった食品メーカーが北海道の同業を支援する際に責任者として赴任し、その事業とは別に金融機関から依頼された和菓子屋の支援を引き受けたのが最初でした。食品、特にBtoBは、今回の新型コロナなど予想できない事態に大きな影響を受けます。それを補完するためにBtoCの事業展開を考えていましたが、和菓子屋がきっかけとなりました。今はBtoCの企業を中心に業務の提携、支援、さらにはМ&Aへと展開し、グループ内で収益を補完できる体制を構築できました」と語るのはアイセ・リアリティーの湯本正基社長。

 同社の中でも、ホテルや国際物流を行う業務は新型コロナの影響を受け、シニアカー販売事業も一時輸入先の変更など対応に追われた。

 「コロナ禍でも太陽光とコインランドリー、美容事業の3社は堅調で、特に岡山県を中心に展開する美容室チェーンの売り上げは好調に推移しています。美容業界が厳しい中で、当社の社員は高いモチベーションで離職者もなく頑張ってくれています。その理由は、美容事業に限らず当グループに入った会社の経営には基本的に口を出さず、現場の自立性を大切にすることにあります。グループに入ったからとはいえ、現場がわからない者が口を出すより現場に任せた方がプラスの面が多いはずです」と湯本社長。

 グループ各社の数字の取りまとめを行う同社には、事業が増えるごとにそれぞれの分野に特化した人材が集まってきた。大手マスコミ、電機メーカー、銀行などの出身者や、海外で独立ビジネスを行ってきた者など多様な人材が同社の強みとなり、どんな業種の会社も引き受けられる土台となっている。

 「多様な人材がいると、異なる視点と発想による事業会社同士のコラボレーションも可能です。この強みを生かし、BtoCを基本にネットを中心としたプラットホームの展開を検討中です。同時に幅広い分野での新たな人材の積極採用は、当社の生命線であると感じています」

会社概要
設立 1987年3月
資本金 5,000万円
売上高 420億円(関係・関連会社含)
所在地 東京都台東区
従業員 1,900人
事業内容 不動産関連業、商品事業、ホテル事業、人材派遣業、食品小売事業、物流事業、美容事業、事業開発、総合保険販売業、セレモニー事業部
http://www.isereality.co.jp/

【AD】