プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの日本一を支えるチーム戦略システムの構築や、読売巨人軍のファンクラブやECサイトのリニューアルを手掛けたライブリッツ。これまでスポーツ企業や団体が主な顧客だったが、エンターテインメント業界や一次産業にもビジネスを広げている。ユニークに見える戦略のポイントは「技術とノウハウ」だ。
スポーツ業界のDXを推進ビジネスの可能性を拡大
近年、スポーツ界ではプロ・アマ問わずデータ分析をはじめとするIT化が進んでいる。ライブリッツは高い技術力を武器にスポーツ界にDXをもたらすトップランナーだ。
「もともと親会社のフューチャー株式会社でスポーツ事業部を統括し、複数のプロ野球団に対してシステム構築やコンサルティングをしていました。おかげさまで事業が拡大したので2017年に事業部ごとライブリッツに移し、社長に就任しました。野球少年だったので、チームの勝利を支えるシステムを構築したり、データの活用についてデータ分析担当の方と一緒に頭をひねったりすることはやりがいがあります」
最近はプロ野球のTV中継でも、投球スピード以外に回転数や回転軸、バッターのスイングスピード、打球の飛距離などデータが取り上げられるようになった。
「以前と比べればデータの精度も向上し、種類も量もはるかに増えました。ただ、データがあれば強くなる、勝てるわけではありません。例えば、良いピッチャーの球は回転数が多いと分かった。では回転数を上げるにはどういう練習が必要か。どのデータに注目し、どう活用するかはチーム戦略です。当社では各球団の要望に応じて、膨大なデータを包括的に活用するシステムを開発しています。これが優勝や日本一という結果につながっているのはうれしいです」
ライブリッツはチーム事業の収益を向上するシステムも提供する。
「読売巨人軍の会員システムを一新するプロジェクトを請け負い、その一環でファンクラブサイト・ECサイトも作り変えました。データに基づいた的確なプロモーションやマーケティング施策が功を奏し、集客やグッズ売り上げ、また運営コストの点でも成果を上げています。またサイトアクセス数やファンクラブの会員数も大幅に増加し、ファンと球団をつなぐお手伝いができたと実感しています」
他スポーツへの展開も進む。
「日本ハンドボールリーグに所属するジークスター東京で映像解析やウエアラブルデバイスを利用してデータ分析をしています。それを元に戦略・戦術を練り練習に生かしたところ、ボール保持率を高めることに成功し、新しい戦い方ができるようになりました。ITはスポーツをもっと面白くし、ビジネスとしての可能性を広げます。さまざまな競技や、高校・大学などのアマチュアチームにもサービスを提供し、スポーツをより盛り上げていきます」
一次産業のほか、エンタメ業界にもデータ活用ノウハウを展開
ライブリッツはスポーツDXのテクノロジーを活用して一次産業のデジタル化を促進する地域創生事業も手掛けている。
「スポーツと一次産業はまったく違う分野ですが、データを集め分析し生かすという業務は普遍なので、当社の強みを発揮できます」
主力サービスであるクラウド型農業経営支援サービス「Agrion」は、豊富なメニューとスマホを使ったシンプルな操作でユーザーからの支持を得ている。
「今までノートに書いていた記録もAgrionを使えばいつでもどこでも入力・参照できます。農業日誌としてだけではなく、注文から納品、売り上げ、請求まで一元管理できる機能もあるので、農業経営全般に活用いただけます」
Agrionと連携してドローンで撮影した画像を蓄積・分析できる「One Drone」も開発した。
「One Droneではスポーツ分野で蓄積した映像解析のノウハウを生かせました。人の目では見ることが困難な場所の撮影や、熟練者の目利きをシステムが補うことで、農業のみならず林業、漁業の生産性向上につながると考えています。一次産業は生活を支えている、守り続けなくてはならない領域です。まだデジタル化が進んでいないからこそ、私たちの持つテクノロジーの力でイノベーションを進めていきます」
ライブリッツが取り組むAI・IoTを活用したDX化は、スポーツ、地域創生に限らず、さまざまな業種・業態での応用が期待できる。
「顧客管理・EC運営システム『Fast Biz』はスポーツチームの運営支援サービスとして開発しましたが、この度よみうりランドに採用いただきました。今後はエンターテインメント業界をはじめ広く展開していきます。データを活用しビジネスを拡大したいという企業や団体はお気軽にご相談いただければと思います」
今ライブリッツでは積極的に人材募集をしている。
「新しい技術に挑戦したい、新しいサービスを生み出したいという仲間が欲しい。アントレプレナー精神を持ち、楽しみながら貪欲に挑戦し続けることで一緒にイノベーションを実現していきたいですね」
会社概要 設立 2011年10月 資本金 8,000万円 本社 東京品川区 従業員数 40人 事業内容 スポーツおよび地域創生におけるデジタルイノベーションの実現 https://www.laiblitz.co.jp/ |