ベンチャー支援に強みを持つグランサーズ。起業初期のオフィスに使えるコワーキングスペースの運営やIPO支援など「ベンチャーが成長過程で困ること」にフォーカスした事業を展開している。中でもオンラインバックオフィス支援サービスが好評だ。
バックオフィス系人材は、労務なら労働基準法、経理なら簿記や税法などの専門知識が必要となり、人材が希少だ。そのため企業は採用と教育が難しい傾向にあるという。
グランサーズはバックオフィス業務を支援する独自サービス「サポーティア(SUPPORT+iA)」を展開する。「社長がコア業務に専念できるオンラインアシスタントサービス」が触れ込みだ。作業量に合わせて月額3万円/6時間から導入可能。派遣やアウトソーシングサービスと異なり、オンライン・コミュニケーションで業務を完結できる。
主なバックオフィス業務は庶務や財務、経理、人事・労務、総務など。一人社長や起業したばかりの少人数のベンチャーが、これらのポジションに人員を揃えるのは難しい。
「いずれも専門性が高く、一人社長が全ての仕事を覚えるのは限界がある」と筧代表。「そこでバックオフィス業務の垣根なく、全て任せていただけるのがサポーティアです」
サポーティアの強みは、サービス品質の高さと教育システム。300頁に及ぶサポートマニュアルは、所属の公認会計士が監修。人材育成に力を入れており、サポートスタッフは社内の検定制度や教育カリキュラムを通じて育成する。検定で一定のラインを超えないとオンラインの顧客サポートは行えないなど、厳格だ。
「顧客のニーズを捉えているか」を常に検証し、継続的にアップデートを繰り返している。マニュアルの習得度合いと顧客推奨度(顧客満足度を測る指標。自社サービスの他者への推薦度合いを数値で評価)を重視してサービス品質を高め、営業せずとも自然に口コミで評判が広がっていくという。
近年はDX推進の波があり、企業の課題としてIT人材の確保が急務だ。バックオフィスの効率化も、採用や経理などのSaaSツールを導入すればITツールを使える人材が必要になる。そんな場面でも顧客をサポートできるようDX人材を育成し、「お客さまに一番近い距離で一緒に伴走するパートナー」を目指す。
「非IT人材をDXのエキスパートに育てて課題解決に役立てたい。バックオフィスの人間が変われば、日本が良くなると信じています」
会社概要 設立 2013年9月 資本金 1億7,489万2,500円(資本準備金含む) 本社 東京都港区 事業内容 バックオフィス支援、IPOコンサルティング、コワーキングスペース運営、YouTube「社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】」運営 https://grancers-group.com/ |