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羽田最後の国際線枠の配分をめぐり求められる冷静な判断--国土交通省②

霞が関ウォッチング

 羽田空港の新たな国際線発着枠をめぐる議論が大詰めを迎えている。

 2014年春に同空港の1日当たりの発着枠を約40枠増やし、このうち20枠が国内の航空会社に配分される見通し。今回が羽田における最後の発着枠拡大となる。この「プラチナチケット」を、各航空会社にどれだけ配分するか、その結論は9月中に出される予定となっている。

 羽田の魅力は都心からのアクセスの良さはもちろんのこと、地方空港からの渡航者も、同一空港内で国際線に乗り継ぎが可能となるなどの利便性の高さだ。国際的なハブ空港として羽田が確固たる地位を獲得することは、地方活性化や日本経済全体にも大きな影響を与える非常に重要な問題である。

 一方、メディアなどの関心はJALの再建過程で生じた競争力の格差を不公平としてすべての発着枠を求める全日空(ANA)と、従来どおり、均等配分による2社の競争こそが羽田国際線枠の最大有効活用であると主張する日本航空(JAL)の対決にのみ向けられ、本質が見過ごされている。

 JALとワンワールドで提携する米アメリカン航空、ANAとスターアライアンスで提携する米ユナイテッド航空などにとっても、ドル箱路線である羽田の発着枠拡大は大きな関心事だ。日本の航空会社とアライアンスを組んでいない米デルタ航空に至っては、現在の2枠から25枠へ拡大したいと主張しているほどだ。当然、各国の政府も関心が高く、その配分結果によっては国家間の関係にも影響を与えかねない。

 1枠当たり約100億円の収入があるとされるだけに、各航空会社が何とか自社の優位性を確保しようとそれぞれの立場を主張するのはある意味当然の事だろう。しかし、従来はANA・JALに均等に配分することによる「各路線での競争」こそが、運賃面・サービス面で、最終的には消費者利便向上につながるとされてきた。

 ここで求められるのは、割り当てを決める国土交通省の冷静な判断だ。同省は航空会社間の格差是正や外圧などの観点に縛られることなく、発着枠という戦略的資源を有効利用し、日本がグローバル競争に勝ち抜くにはどのような配分がベストであるのかを最も重視するべきなのは言うまでもない。

 国益に強く結び付く問題だけに、しっかりとした根拠と大局的な見地に基づく決断が求められよう。

 
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