全国に拠点を持ち、幅広いプロモーションを得意とする総合広告代理店のデイリー・インフォメーション関西。競合ひしめく業界で信頼を勝ち得てきた同社の強みは、機動力ときめ細やかなサービスだ。屋台骨となるのは社員の「人間力」。その真髄に迫ってゆく。(雑誌『経済界』2026年3月号より)
中谷浩二 デイリー・インフォメーション関西のプロフィール
なかたに・こうじ
媒体問わず、幅広く対応できる 顧客ごとのソリューション
1962年にデイリースポーツ紙の専属代理店として創立し、DACグループの関西拠点として躍進を続けてきたデイリー・インフォメーション関西。コミュニケーション戦略から人材ソリューションに至るまで、トータルにプロデュースできる幅広さを強みとし、あらゆる課題を解決して、その地位を確立した。強豪並みいる業界内で、同社が一際存在感を放つのは、大手他社と比べ小回りが効く機動力と、痒いところに手が届くきめ細やかなサービスがあるからだ。同社代表取締役の中谷氏は、次のように語る。
「当社は地域ブランディングや企業ブランディングをはじめ、集客販促プロモーションやグローバルプロモーション、さらには採用のプロモーションまで幅広く手掛ける総合代理店です。特定の媒体や環境に限らず、さまざまなシチュエーションに合わせたプロモーションが可能です」
同社がこれまで手掛けてきたプロジェクトは、リアルイベントの企画運営、物販系メーカーのプロモーション、行政のシティプロモーション、LPやチラシの制作、SNSやHPの運営などと枚挙にいとまがない。
さらに、多様なプロモーションを提案する企画力に加え、それらを形にする実行力も伴っている。
「以前、大阪難波エリアの広場でリアルイベントの企画案件がありました。公共スペースという制約が厳しい環境下で、コンテンツの実施可否の判断や行政への許可申請など、多くの課題を解決し、クライアント様にご満足いただける形で実施できました。大手では難しいスピーディできめ細やかな対応ができるからこそ成功した事例です」
広告業でのキャリアを持つ中谷氏は、「もう単一メディアだけで勝負できる時代じゃない」と、広告トレンドの移り変わりを冷静に見た上で、自社社員について誇らしげに語る。
「今は昔とは比べものにならないほど媒体の種類が増え、選択肢の数が膨大です。どの媒体でどんなプロモーションを仕掛ければ効果的かを判断し、適切なソリューションをクライアント様に提案しなければお仕事はいただけません。手前味噌ですが、弊社のプレイヤーは局面に応じて切れるさまざまなカードを持っています。優秀で尊敬していますね」
専門スキルと人間力を持ち 社員が自己実現できる会社
企画力と実行力で数々のプロジェクトを成功に導いてきた同社だが、その土台にあるのは「人間力」だ。中谷氏はこの抽象度の高い概念について、次のように説明する。
「この業界には、営業が強く勢いのある会社は多くあります。しかし、仕事を受けたら受けっぱなし、というやり方の会社が少なくありません。そうした会社は短期的には伸びるかもしれませんが、いずれ信頼を失って淘汰されていきます。私はそんな仕事のやり方は絶対にしたくないです。弊社は社会使命として、『人々の幸せを担う』『社会に貢献する』『地球の未来を考える』の3つを掲げており、〝利他の精神〟が根づいています。これは私自身、入社前から大事にしており、会社全体としても同様に大切にしている考え方です」
長いキャリアの中で、業界の企業やプレイヤーの栄枯盛衰を見てきた中谷氏は、何より利他の精神を大事にしている。それは顧客だけでなく、難易度の高いプロジェクトを形にするためには委託先との信頼関係も欠かせない。難しい内容を依頼するときには、普段からの仕事に向き合う姿勢や、顧客との信頼関係といった部分に表れる人間力が問われる。そうした背景から、同社は人的資本へ積極的に投資。人間力を磨く独自の研修を行ってきた。
「弊社の人材育成は体験型の研修が特徴です。専門的なスキルの研修はもちろんのこと、人間的な成長に資する研修も行っています。新卒1年目を対象に行う富士登山研修に始まり、2年目は田植え・稲刈り研修、3年目はリンゴ花摘み・収穫研修と、自然環境や仲間に感謝が生まれる研修を用意。向上心の強い同世代から刺激を受けたり、助け合う大切さを学んだりと、人として大事な部分を涵養するプログラムで、先輩社員たちが担当してきました。若い社員だけでなく、引率をする先輩社員にとっても大きな学びになっています」
こうした研修に社員は前向きな姿勢で取り組んでおり、DACグループの全社員を対象としたアンケートでは、会社のどんなところに誇りを持つかという問いに対し、「人として成長できるような、しっかりとした社員教育や研修がたくさんあるところ」「人間力を育むことが業績の拡大につながっていること」といった回答が数多く見られた。
また、働く理由についてのアンケートでは、「人や社会にポジティブな影響を与え、誰かの幸せにつながる仕事がしたい」との回答があり、社会使命が社員一人一人に浸透していることが窺える。
中谷氏に同社の今後について聞くと、会社を空母にたとえ、「社員それぞれが自らの翼で飛び立てるような環境づくりをしたい」と言い、続けて「われわれの仕事はソーシャルソリューション。それを遂行するにあたり、志ある人をいかに招集・育成できるかが重要です。社員それぞれが自己実現できるように、成長していけるように会社を前に進め、今後も、社会に対して正しい価値提供ができているかを常に考え、善管思考を持って経営を続けていきます」
| 設立 | 2004年3月 |
|---|---|
| 資本金 | 3,000万円 |
| 売上高 | 215億6,000万円(2024年度DACグループ合計) |
| 本社 | 大阪市淀川区 |
| 従業員数 | 153人 |
| 事業内容 | 地域ブランディング、企業ブランディング、集客販促プロモーション、グローバルプロモーション、採用プロモーション https://dac-kansai.co.jp/ |