合宿運転免許の紹介事業を主軸とするナンバメイト。〝車離れ〟が進むなか、同社が紹介する個性豊かな合宿運転免許のプログラムは多くの若者を引き付けている。近年は高齢者や外国人を対象としたサービス開発にも着手。交通大国日本の安心・安全を守るための最前線を走る。(雑誌『経済界』2026年5月号より)
時野 学 ナンバメイトのプロフィール
ときの まなぶ
免許証を取得し、走り続けることで優良ドライバーに
国内の30〜50代における運転免許保有率が9割に上るドライバー大国日本。2024年時点での運転免許保有者は8174万人を上回る。一方、ドライバー人口の多さに比例して交通上の安全課題が深刻化。昨年の国内における交通事故発生件数は28万件を超え、特に高齢者ドライバーによる事故は増加の傾向にある。
ナンバメイトは大阪・難波で創業。以来、合宿運転免許の紹介事業を通して日本の交通環境を支え、社会に〝安心・安全をクリエイト〟してきた。社長の時野学氏は、日本の運転事情を次のように語る。
「本来、日本において道路は〝運転してはいけない場所〟です。だからこそ『運転免許証』を発行して、運転の許可を与えているんです」
この運転免許証、よく誤解されるが取れば終わりというものではない。あくまで最低限の資格であり、交付された時点では初学者の扱いになる。
「免許証が交付されたからといって、最初から優れたドライバーというわけではありません。教習所で交付されるのは初期の免許証であって、実際に運転をしていく過程で優良ドライバーに育っていくというのが日本の考え方です。初心運転者期間が設けられているのは、そういった背景があるからです」
時野氏はひと呼吸置いたあと、とはいえ、と話を続ける。
「教習所の教官は、全ての運転手が安心・安全に道路を走れるようにと指導に取り組んでいます。それは初学者も同じ。ただ免許証を与えて終わりではなく、その後長く安全にドライバー人生を送れるようサポートしていきたいというのが、われわれ業界関係者の思いです」
「合宿運転免許」に魅力的な付加サービスで差別化
若者の〝車離れ〟が叫ばれる昨今であっても、運転免許を取得しようという意欲は旺盛だ。25年時点で20代の運転免許保有率は5割を超える。そんな彼らのドライバー人生の入り口として人気を集めているのが、短期間で集中して学習し、免許証を取得できる合宿運転免許だ。ナンバメイトはこの領域における紹介事業で大きく成長してきた。
「弊社では合宿運転免許の紹介事業として、『免許合宿LIVE』『ミツカル合宿免許』『マイコム合宿免許』『教習所ドットコム』といった、4つの合宿免許ポータルサイトを運営しています。他にもマイナビと共同で運営している『マイナビ学生の窓口合宿免許』やロイヤリティマーケティングと共同運営の『Ponta合宿免許』もあり、それぞれ異なった属性に向け、幅広くアプローチしています」
ポータルサイトと言っても、ただ情報を羅列するだけではユーザーの心はつかめない。同社では独自の切り口で違いを見せる。
「弊社では学生に向けて掲載する写真を変えてみたり、申し込みまでの導線を簡略化したりと、ユーザーにとってわかりやすくするため、さまざまな工夫をしています」
また、同社は教習所に対しても個性豊かなプランを提案している。
「提携している全国の自動車教習所へ訪問し、利用者の生の声や教習所の情報を収集して、利用者が快適な合宿免許生活を送れるよう、教習所に対するコンサルタント業務をしています。安心・安全に運転できる技術を磨くことはもちろん、そこに魅力的なサービスをいかに付随させるかが重要です。昨今は宿泊環境や食事、アクティビティにこだわったプランも多く、どの教習所も個性的なサービスを生み出しています」
合宿には、利用者同士で友情や恋愛といった関係性が生まれるなど、他者との出会いの場としての価値もある。時野氏はその重要性について次のように語った。
「運転において他者を知ることはとても大事です。道路で運転をしているのは自分だけではない。世代や価値観の違う他者と折り合いをつけながら、安心・安全な運転を心がける必要があります。そうした意味で、自分以外の運転手と関われる合宿は社会的意義が高いと感じています」
人によっては自動車学校が最後の教育機関になる場合もある。大人に向けた最後の教育機関として、果たすべき役割は一つではないというのが時野氏の考えだ。
社会課題に取り組み、DXで描く新しい運転教育の形
入り口だけではなく、出口にもビジネスチャンスはある。近年、ニュースでよく見かける高齢者ドライバーの事故。同社はこうした社会課題に対し、「運転寿命」を伸ばす取り組みも積極的に行ってきた。
「70歳以上の方が免許更新の際、必ず教習所にて高齢者講習を受講しなければなりません。その際、受講される方の多くは『免許が取り上げられるのではないか』との不安を抱えています。われわれとしては、できるだけ長く自信を持って運転を続けられるよう、生活習慣に簡単に取り入れられる体操の実践指導や、認知症研究の第一人者が開発した『浦上式アロマオイル』の提供など、予防的なサポートにも取り組んでいます」
さらに、同社は運転教育のDXも推進。認知機能を可視化した企業向けのサービス「MieruCAR安全運転講習スタートプログラム」では、営業所単位、個人別に効果測定を行い、リスクを分析。導入企業では事故率が顕著に低下するなど、確かな効果が出ている。日本の交通環境に不慣れな外国人ドライバーを抱える企業も熱視線を注いでおり、今後の成長が期待されるサービスだ。
時野氏は「BtoCだけでなくBtoBの領域も視野に入れることで、より広く安心・安全を届けていきたい」と笑顔で語り、話を締め括った。
| 設立 | 1989年8月 |
|---|---|
| 資本金 | 3,000万円 |
| 売上高 | 7億3,200万円(2025年5月期) |
| 本社 | 大阪市中央区 |
| 従業員数 | 36人(内パート3人、2025年5月現在) |
| 事業内容 | 自動車学校斡旋事業および関連事業。浦上式アロマオイル、関連商品の販売。高齢者ドライバー支援事業 https://nanbamate.com/ |