主力の不動産業に加えてM&Aにより他業種展開し、大阪で有名な地域密着型スーパー「スーパー玉出」をグループ企業に持つアイセ・リアリティーグループ。昨年、会長となった湯本正基氏は「スーパー玉出」に注力し、地域の発展とともに飛躍を目指す。(雑誌『経済界』2026年5月号より)

湯本正基 アイセ・リアリティーグループのプロフィール

湯本正基 アイセ・リアリティーグループ
アイセ・リアリティーグループ会長 湯本正基
ゆもと まさき

昨年、アイセ・リアリティーグループは、社長の湯本正基氏が会長に、四栁洋氏が社長に就任し、経営体制を変更した。 

「当社のビジネスは銀行との融資交渉の比重が高く、過去に幾多の厳しい交渉を経験しました。とりわけ取引金融機関の了解の下で行われた『スーパー玉出』の買収案件への融資が、現玉出とは無関係な旧玉出代表者の逮捕後に手のひら返しで一斉に止まったことは今も忘れません。以降も続いた銀行との複雑な案件の交渉やコンプライアンス対応に一緒に取り組んできたのが新社長の四栁氏です。スーパー玉出の資金調達問題も解決のメドが立ったため、スーパー事業に集中できる新体制への移行を決断しました」と語る湯本氏。

M&Aの事例では、買収後に買収先のコンプライアンス違反の発覚はよくあることだが、スーパー玉出の場合は買収時の銀行の手のひら返しに加え、経験を買って中核に据えた銀行出身者による内部コンプライアンスの重大違反が発生していた。その違反発覚まで長い期間を要し、その間に収益が大幅に悪化していた。

「コンプライアンス問題を一つ一つ解決するごとに収益も改善していきました。そこで昨年は3店舗のリニューアルを進め、今年は3店舗を新規オープンします。その中でも特に面白いと思っているのが今年4月の大阪『新世界』への出店です。海外からのお客さまも多く、大阪有数の観光エリアへの食品スーパーの出店は当社が初めて。地域で人気の有名飲食店との関係性を深め、エリア一帯を一緒に盛り上げるのはもちろん、周辺住民の台所として『新世界経済圏』を支えていきたい」

新店舗にはミュージックや芸能関連、一般も含め利用可能なイベントスペースを設け、さまざまな地域密着の活動も応援していく事業を計画中だ。

「コンプライアンスで苦労する中で思ったことは『スーパー玉出』の現場の社員やパートさんの真面目さ。その真面目さに応えるためにも給与などの待遇面を良くしていきたい。実現にはもう少し時間がかかるかもしれませんが、できなければ実現できる別の会社へ運営を託すぐらいの覚悟で取り組んでいきます」

設立1987年3月19日
資本金5,000万円
本社東京都千代田区
事業内容不動産関連、食品、ホテル、食品小売、物流、美容事業
https://www.isereality.co.jp/