(雑誌『経済界』2026年5月号より)
孫 正義 ソフトバンクグループのプロフィール
ソフトバンクグループ会長兼社長 孫 正義
そん まさよし
そん まさよし
2025年6月に開かれたソフトバンクグループの株主総会は孫正義社長のワンマンショーだった。
以前の孫氏は決算発表などの記者会見にもよく顔を出し、「発表会経営」と言われた時代もあった。しかし今では決算発表はCFOに任すなど、露出の機会は極端に減少した。それだけに、株主総会は、年に一度、孫氏の肉声が聞けるとあって、メディア関係者も多く集まった。
この総会で孫氏は、何度となく「ASI」という言葉を繰り返した。ASIとは、「人工超知能」。従来のAIの1万倍の能力を持つとされている。かつて孫氏は「これからはAIだ」と宣言し、日本企業としてはいち早くAIへの投資を加速したが、今度は「ASIのナンバーワン・プラットフォーマーになる」とぶち上げた。
道具はそろっている。
すでに生成AIのオープンAIに対して約4兆5千億円を投資したほか、2016年に3兆円あまりで買収した英Arm社は、いよいよ独自設計のAI専用チップの量産に乗り出した。さらには米国で総額約75兆円にもなるAIインフラ「スターゲート計画」も進行中だ。
これだけの巨額の投資を、ためらうことなく矢継ぎ早に実行できることが孫氏の最大の強みだ。
インターネット時代のプラットフォーマーは残念ながら米国勢に独占された。しかし技術は日進月歩。ASI時代のプラットフォーマー勝負はまだ始まったばかりだ。