(雑誌『経済界』2026年5月号より)

藤田 晋 サイバーエージェントのプロフィール

藤田 晋
サイバーエージェント会長 藤田 晋
ふじた すすむ

サイバーエージェントが運営するインターネットテレビ「ABEMA」が開局したのは10年前の2016年。22年のサッカーW杯の全試合放送や、将棋タイトル戦のAI予測などという、今までのテレビにはできなかった趣向を数多く取り入れてきた。当初は巨額の赤字を出し続けたが、前9月期にはABEMAを含むメディア事業がついに黒字化を果たした。これもあってサイバーエージェントの前期営業利益は717億円と過去最高となった。今期に入ってもその勢いは衰えていない。

この決算と同時に、同社は社長交代を発表した。1998年の創業以来社長を務めてきた藤田晋氏が会長となり、新社長には専務執行役員だった山内隆裕氏が昇格した(12月12日付)。

藤田氏は2023年にブログで26年に社長を退くと発表。以来後継者の育成に励んできた。今後もしばらくは代表権を持つ会長として見守ることになるが、創業者がバトンを渡したことで、サイバーエージェントは間違いなく新しい時代に突入した。

今後は山内氏以下取締役陣による集団経営になると思われる。それによってサイバーエージェントがどうなっていくのか。例えばABEMAが赤字を出しながらも続けることができたのも、藤田氏の「長期的視点に立った投資戦略」があったからだ。こうしたサイバーエージェントのDNAを、山内氏たちが守り発展させていくかがカギを握る。

経営者にとって一番難しいのは後継者を選ぶことだと言われている。その答えはこれから出ることになる。