大阪で50年以上にわたりビルメンテナンス業を展開する日建管理。2022年に給排水管の清掃を手掛ける「環研」のM&Aを経て高収益化を実現し、今期も売上高・利益ともに好調だ。業界団体の委員を長年務める亀山透社長に、自社や業界の人材採用・育成について聞いた。(雑誌『経済界』2026年10月号より)
亀山 透 日建管理グループのプロフィール
かめやま とおる
建物の清掃や設備保守・管理、環境衛生管理、警備・防災などを行うビルメンテナンス業。働き手が高齢化する中、AIやロボットの導入による業務効率化、外国人労働者の受け入れが進んでいるが、それでも人材不足が深刻だ。特に、現場作業を担う人材の採用は容易ではない。
「ビルメンテナンスの仕事は、まず現場を知らないと何も始まりません。そのため、現場で経験を積んでからマネジメントへと進むキャリアが一般的です。しかし、そのキャリアパスが求職者に十分伝わっていないのか、現場職の求人を出しても応募が集まりにくいのが現状です」
この状況を改善するには、給与などの待遇改善だけではなく、仕事そのもののイメージ向上が重要ではないかと、亀山社長は指摘する。
「世間が持つビルメンテナンス業のイメージと、私たちの実際の仕事には、大きなギャップがあると感じます。ビルメンテナンスは単なる清掃や設備管理ではなく、建物の資産価値を維持・向上させる仕事。銀行がお金を預かるように、私たちは建物という大切な資産をお客さまから預かっているのです」
ビルメンテナンス業の本当の価値を伝えることが、採用力の向上や人材の定着にもつながっていくはずだと亀山社長。実際に同社では、入社して3年以上続いた人は、5年、10年と長く定着する傾向があるという。
「それはきっと、彼らが実践を通して仕事の価値を理解してくれたからだと信じています」
さらに亀山社長は、「年齢や性別を問わず活躍できる」「実力を磨いて独立開業する道もある」など、ビルメンテナンス業は働き手にとって多くの魅力がある仕事だと話す。また、「この仕事はAI時代も必ず生き残るはずだ」と力を込める。
「この業界には、においや熱、細かな振動などから設備の異変を察知できる人がいます。まさに職人技です。経験によって磨かれた技術や勘は、AIに簡単に代替されることはないでしょう。職人的な仕事だからこそ、昔は『黒子に徹する』ことが美徳とされていましたが、次世代の人材育成のためにも従来の姿勢から脱却し、業界全体の認知度向上に尽力していきたいと思っています」
| 資本金 | 3,000万円 |
|---|---|
| 売上高 | 5億4,000万円 |
| グループ売上 | 7億2,000万円 |
| 本社 | 大阪市中央区 |
| 従業員数 | 40人 |
| グループ全体 | 53人 |
| 事業内容 | 清掃、設備保守・管理や警備といったビルメンテナンス業 https://sites.google.com/nikken-kanri.com/home/ |