「からだを動かせば、すべてが動き出す。」を掲げ、運動を軸に事業を展開するLii。中核事業の「Lii sports」は1号店開設から6年で国内外50店舗へ拡大。子どもから大人へ、国内から海外へと対象を広げ、誰もが自然に体を動かせる社会の実現を目指す。(雑誌『経済界』2026年11月号より)

廣瀬あゆみ Liiのプロフィール

廣瀬あゆみ Lii
Lii 代表取締役 廣瀬あゆみ
ひろせ・あゆみ

 Liiは、発達に課題のある子どもを対象に、運動を通じた発達支援を行う「Lii sports」を中心に事業を展開している。

 「介護や保育、福祉は、社会に欠かせないインフラのような仕事ですが、働く人が増えないし、続かない。事業所側と働く人の価値観もうまくかみ合っていないと感じたんです」

 常々そう考えていた廣瀬あゆみ代表は、2018年、福祉に特化した人材紹介事業で同社を設立した。しかし、コロナ禍に入り、事業継続が危ぶまれ、20年に持続化給付金を元手に方針を転換。「自分たちで施設を作って、うまくいくモデルをつくろう」と、施設運営へ踏み出した。

 原点には、廣瀬代表が大学時代に抱いた違和感がある。体育教員を目指して臨んだ教育実習で、一律に指導し評価する体育指導を経験。疑問を感じて、進路を変更したという。

 20年9月、「Lii sportsstudio」の1号店を開設。すると瞬く間に希望者が殺到。運動機会は、お金や場所があれば誰でも得られるわけではない。廣瀬代表はそう実感し、店舗展開を加速させた。

 Liiが重視しているのは指示ではない、自然と動きたくなる環境をつくることだ。独自のデジタル運動コンテンツ「DEA2000」やコーチング方針「REPS」を整備し、支援の考え方を仕組みとして共有する。9月には50店舗体制となる。

 「子どもはすぐに成長してしまうから、出店速度を遅らせてはいけないと思っています」

 廣瀬代表の狙いは、運動のために新たな時間を作らずに、日常の中へ運動を「忍び込ませる」ことだ。今後、運動と学習を組み合わせた「Lii learning studio」を始動させる。

 その視線は、国外へも向いている。スタートアップワールドカップ2026名古屋予選では優勝を掴み、11月には世界決勝が控えている。

 「ナイキを超えるくらい、世界中に運動の影響をつくりたいんです」

 店舗、学習、デジタルコンテンツへと手段を変えながら、運動する機会そのものを社会に増やす。可能性を狭める環境を変え、機能する仕組みを複製する。そのスピード感こそが、急成長の原動力だ。

会社概要

設立2018年11月
売上高約15億円
本社愛知県名古屋市昭和区
従業員数409人
事業内容運動特化型児童発達支援・放課後等デイサービス運営、法人向け健康経営サービス、人材支援・採用コンサルティングなど
https://liistyle.com/