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診療報酬の増額圧力が高まり、問われる社会保障費の在り方--財務省

霞が関ウォッチング

 健康保険などから医療機関に支払われる診療報酬の2014年度改定をめぐり、額を抑えたい財務省と、増やしたい厚生労働省や医療業界の綱引きが、激しくなってきた。11月8日には、増額を求める280人規模の議連が、自民党内に発足。社会保障費への切り込みが、また不十分になる恐れがある。

「消費税が上がるからといって、自動的に診療報酬も上がるという簡単な図式ではない」

 麻生太郎財務相は8日の閣議後会見でこう述べ、診療報酬の引き上げ論を牽制した。

 高齢化で医療、年金などの社会保障費は、年1兆円ずつ、自然に増えており、財務省は、「診療報酬を引き上げる環境にない」という立場だ。同省は、診療報酬を1%引き上げると、税や保険料などで国民負担が4千億円増えると試算する。

 一方、厚労省は同日の専門部会で、来年度の診療報酬改定の基本方針の骨子案を示した。来年4月に消費税が増税されても、保険診療は非課税で、引き上げ分を患者から取るわけにいかない。このため、引き上げ分を、診療報酬に上乗せすると明記した。

 党では、診療報酬の増額を求める議連「国民医療を守る議員の会」が設立された。設立総会後の会見では、発起人で、医師でもある鴨下一郎元環境相が、「診療報酬の大筋の方向性について、物を言わせていただく」と発言。政治的な圧力を強めていく考えを示した。かつて小泉純一郎政権で、社会保障費削減の数値目標を掲げたことが野党転落のきっかけになったという思いも、政治家の脳裏にはある。

 診療報酬は、民主党政権下で2度、引き上げられたにもかかわらず、増額圧力はやまない。だが、膨らむ社会保障費にそろそろ本格的なメスを入れなければ、消費税を増税しても追いつかず、財政は破綻する。14年度の予算編成では、予備費からお金を手当てするといった場当たり的な手法をとらず、歳出にしっかり切り込めるのか。財務省、関係省庁、そして政治家の姿勢が問われている。

 
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