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業績への懸念が広がる カネボウ自主回収騒動の行方

ニュースレポート

回収作業は進むが現在も調査を継続中

自主回収対象の美白製品群

自主回収対象の美白製品群

 「肌がまだらに白くなる」という消費者からの被害情報を受けて、カネボウ化粧品とグループ2社が美白製品54アイテムの自主回収を発表してから約1カ月が経過した。

 7月4日の公表直後は、本社社員の多くがコールセンターでの顧客対応に忙殺。本誌の電話取材に対応した総務部社員は「広報担当者もお客さまへのお詫びと説明に追われていて、なかなか捕まえるのが難しい状況」と説明していた。

 16日時点での消費者からの苦情や問い合わせは、約10万1千件となっている。ただ、「公表当日は1万5千件ほどあった問い合わせも日を追うごとに減少し、1日1千件程度に落ち着いてきた」(広報・ブランディンググループ)という。

 また、各種報道や返品を求める謝罪広告などの効果によって、製品回収作業はスムーズに進んでいるという。広報担当者は「回収を一層進めていきたい」と強調している。

 こうして騒ぎは鎮静化しつつあるようにみえるが、原因究明にはいまだ至っていない。該当製品に含まれる医薬部外品有効成分、ロドデノールに症状との関連性が懸念されると公表しているだけで、現時点でも調査は継続中だ。

 原因解明が進まない状況に、消費者やカネボウの販売店も困惑を見せている。スキンケアからメークアップまでフルラインで長年使用してきた愛用者は、「私は何の症状も出ていないが、非常にショック」と語っている。「愛着を抱いて使い続けてきたが、場合によっては他社製品に切り替えないといけない」と肩を落とす。また、化粧品販売店からは「回収対象外の商品の売れ行きに影響が出ている」という声も上がっている。

 カネボウは今回の回収に要する費用を50億円と試算し、「今後、業績への影響については一層の精査を進めていく」としている。初めて製品に対する消費者からの問い合わせがあった2年前に、原因を病気によるものと誤認し問題発覚が遅れたとして、相談体制の見直しを進める計画だが、消費者の不安を払拭するにはいち早い原因究明が欠かせない。「状況によっては、カネボウの親会社である花王グループ全体の業績に影響しかねない」(化粧品業界紙記者)と指摘する声があるだけに、事は急を要する。 (本誌/鈴木健広)

 
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