経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

「超サポ愉快カンパニー」としてワクワクするビジネスサイクルを回す―アシスト

2019注目企業画像

汎用のシステムやソフトウエアを使い、IT時代を元気に渡っていけるよう「顧客をアシスト」する会社だ。システムのサポートという枠を超え、顧客の真のパートナーとしてITビジネス全体をサポートし、顧客にもっと快適なビジネス環境を提供することを目指す。

大塚辰男氏

アシスト 社長 大塚辰男(おおつか・たつお)

「超サポ愉快カンパニー」に向けた取り組みとその進捗

 「昨年はうれしいことがいくつもありました」と大塚辰男社長は声を弾ませる。

 1つ目は、「Oracle Excellence Awards for Specialized Partner of the Year:ODA-Global」の受賞だ。これは世界中に存在するOracle PartnerNetwork認定パートナーの中から部門ごとに、米オラクル社の製品とサービスを活用して顧客のビジネス革新に貢献し、オラクルのビジネス発展に最も寄与したパートナーが表彰されるもの。この中のOracle Database Appliance(ODA)で初受賞した。

 2つ目は、『日経コンピュータ』の顧客満足度調査2018‐19「情報分析・意思決定支援ソフト部門」において1位を獲得した。また、就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」を運営するヴォーカーズの「働きがいのある企業ランキング2018」において、総合で14位、業界ランキングや「風通しの良い会社」ランキングでも非常に高得点を挙げているとのこと。

 足元の業績も絶好調だ。18年から5カ年の中期経営計画「超サポ‐2022」を開始し、22年に売上高400億円を掲げている。しかし、今年の目標値は既に昨年達成し、20年の目標値にも近づくレベルになってしまったという。22年の中計目標値を上方修正するのか問うと、

 「もともと上げ幅が少ないのと、読みが甘かったんです。去年は少し出来過ぎで、今後もずっと好調に推移するとは考えていないので、数値目標は基本的に変えません。それより、先の中計を終えて見えてきた課題を基に、施策を10項目作りました。それらを今年は結果に結び付けていきたい。例えば、データ活用を中心とした競争戦略の展開。アシストはもともと情報活用や情報分析をずっとやってきたので、そこをさらに強くしましょうと。このように、いずれもことさら特別なものではありません」

 アシストは、顧客への3つの約束として、「めげない、逃げない、あまり儲けない」――「日本で一番提案を断りやすい会社になること」「日本で一番課題やトラブルから逃げない会社になること」「日本で一番お客様と利益を分かち合う会社になること」という約束をしている。

 「会社としての黒字はあまり出さず、社員への還元やお客様サポートの投資に振り向けます」と、利益の数字に対してはあくまで控えめな大塚社長だ。

超サポ愉快カンパニー

「超サポ愉快カンパニー」の世界観

 

「モノ」ではなく「コト」を売るため、あえて開発はせず

 アシストは、情報活用、運用、データベース分野のパッケージ・ソフトウエアに、独自の支援サービスを組み合わせて提供する「パッケージ・インテグレーター」だ。

 商品はソフトウエアやシステムといった「モノ」ではなく、それらを活用して課題解決する「コト」こそが最大の武器だと自負。このため同社はあえて開発はしない。開発をすれば「モノ」を売ることに注力せざるを得ないからだ。

 顧客が抱える課題を解決するために、最も適したソフトウエアを世界中から探し出して検証し、顧客の実情に合わせて提供する。さらに他のIT企業ではできないような細かいレベルまでしっかりサポートする体制を築いているという。

 サポートというと、トラブル対処のような技術的な支援という解釈が一般的だが、同社ではサポートをそうした概念を超えた「ITビジネスのあらゆるフェーズでお客様の『お役』に立てること」と位置付け、「超サポ」として取り組んできた。

 18年からの中計を策定するに当たり、「超サポ」をさらに発展させた新しい企業ビジョン「超サポ愉快カンパニー」を掲げている。「超サポ」とは、お客様のお役に立つことであり「愉快」とは、お客様と一緒に愉快になることだという。

 「課題解決の一つとして、AIに入れるデータを整理し、短時間で良い結果を出してくれる『Paxata(パクサタ)』というソフトや、機械学習、RPAなどの新しい概念への取り組みの一方で、経済産業省がまとめた『2025年の崖』、既存のシステムをどうするかという問題にも取り組んでいます。こうした積み重ねがあって、昨年1年間で新規顧客が169社増え、6300社になりました。とはいえ、まだできていないことも多く、少しでもお客様のお役に立てるようにしないといけません」と気を引き締める。

 その先に、目指す「超サポ愉快カンパニー」の実現が待っている。   

 

会社概要

設立 1972年3月

資本金 6,000万円

売上高 264億円(2017年度)

所在地 東京都千代田区

従業員数 1,120人(2018年4月)

事業内容 コンピューター用パッケージ・ソフトウエアの販売、技術サポート、教育およびコンサルティング

https://www.ashisuto.co.jp/

 

【注目企業】の記事一覧はこちら

経済界ウェブトップへ戻る