国際

20151222NIRUMARA

時間どうりに始まるのはクリケットの試合だけ!?

 日本人や外国人が口にするインドへの批判の一つは、インド人がいつも遅刻するということだ。タクシー、電車、バスはすべて予定どおりに着かない。会議、セミナーも定刻には決して始まらない。教師や学生も授業開始時間には決して現れない。ほかにも、配管工、電気技術者、電話、インターネット工事業者は、いつ来るか知らされないまま長時間、家で待たないといけない。銀行、郵便局、病院でも延々と待つ。ところが、ほとんどの審判がインド人ではないであろうクリケットの試合だけは、時間どおりに始まる。

 広大な国土であるにもかかわらず、インドはインド標準時(IST)と呼ばれる一つの標準時間帯を使っている。サマータイムなどの季節時間もない。だが、ほぼ全インドで、あらゆる人が何だかんだといつも時間に遅れているのだ。

 時間を守ることに関して、古代インドは現代インドよりも優れていた。古代の教えに従い、寺院のさまざまな祈りは太陽が昇る前に始まることになっていた。バラモンは、星が出ている間に毎日の儀式を行った。古代インドでは時間は非常に重要で、大部分のことが特定の時刻に行われなければならなかった。今日でさえ占星術に従い時間どおりに執り行われる。女性たちは日の出と共に起き、寺院で祈り、家事をした。しかし、現代インドは時間を守るという能力を失った。この原因は一体何なのか?

 長い間に、インド人は時間を守ることに無頓着になってきた。インド人は一般的に時間割に従って動くことが苦手だ。その代わりに、同時に複数のことをする「マルチタスキング」は難なくこなす。日々はしばしば、人間関係、段取りの失敗や自然現象など予期せぬことに対応しなければならないことで埋め尽くされてしまう。これらは生活のリズムを狂わせがちである。特に地方では。

 農村の人々の生活はシンプルだ。季節や自然とともに1日を早く始め早く終える。そうした暮らしは彼らに十分な時間を与える。彼らにあまりすることがないのは事実だが、彼らはどんな仕事をするにしても、自分たちのタイミングで行うことは注目すべきである。それなのに、プライベートでも仕事でも、日常のあらゆることが時間どおりにはいかない。

 インドは社会構造のために状況が予測できないため、人々はイベントや会議に単に間に合わないのかもしれない。プロジェクトは自然に何とかなるかもしれないし、あるいは最初の計画と大幅に異なるかもしれない。インド人は走りながら計画を立てる。大抵の場合、厳しい時間管理システムや超過勤務などの末に締め切りは守られるが、管理ミスが原因となる単純な遅延を起こして失敗するケースもある。

「時は金なり」という概念がない

 インド人の時間管理は個人の問題だ。ある人は時間を守るかもしれないが、ある人は何とかするかもしれない。それは彼らの持つ時間の感覚だ。こうした時間にルーズな態度は厳しく批判されてきた。どういうわけか、「時は金なり」という血はインド人には流れていない。すべてのインド人が時間管理の常識を理解するとき、恐らくインドは大きく変わる。大部分のインド人は時間が足りない、毎日あと2時間必要だという。ちょっとの時間を1日の時間配分に使えば良いのだが、多くの人はそれを理解しない。

 時間厳守を重要視するということは普遍的なものでなく文化によって異なる。あるところでは、生活は異なるペースで進み、会議時間は曖昧だ。時間を守るということが厳密でない文化の中で生きてはいるが、インド人が時間厳守の価値を否定しているわけではない。

 時間を守ることはその人の誠実さ、信頼性、謙虚さの現れである。インド人は時間にルーズなので、これらのことがインド人には当てはまらないように見えるが、インド人はほかの方法でそうした資質を示している。

 インド人は時間を守らないことが良くない習慣であると分かっている。「待つ」ことで時間が無駄になっていることを実際的なアプローチで教える必要がある。それでも、彼らは何をするにも遅い。

 インド人はインド標準時(IST:Indian・Standard・Time)に従っているとよく聞くが、冗談でインド伸縮自在時間(IST:Indian・Stretchable・Time)に従っているのだともいわれる。

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