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高級テディベア×日本 独ぬいぐるみブランドが提案する新しい可能性 西本 学 シュタイフジャパン(MS1880)

シュタイフジャパン(MS1880) 社長 にしもと まなぶ 西本 学

ドイツ発のテディベアメーカー・シュタイフの日本総代理店を担うシュタイフジャパン。大人も楽しめる高級ぬいぐるみは今や日本ならではのアニメや特撮、アパレルなど幅広いコンテンツとコラボレーションし、独自のぬいぐるみファンを開拓して注目を集めている。(雑誌『経済界』2025年5月号「注目企業」特集より)

シュタイフジャパン(MS1880) 社長 にしもと まなぶ 西本 学
シュタイフジャパン(MS1880) 社長 にしもと まなぶ 西本 学

世界中の誰もが知るテディベアの高級ぬいぐるみ。シュタイフジャパン社長の西本氏は、これまでにルイヴィトンやシャネル、ジョルジオ アルマーニ、リヤドロなどの国内ブランディングを手掛けており、その手腕を見込まれ、2013年のシュタイフジャパン設立と共に社長を任された。「シュタイフは今年で創業145年を迎えます。日本にも販路はありましたが、代理店の多くは玩具メーカーで、数万円もする高級ぬいぐるみは『おもちゃ売り場』にはそぐわないものでした」と語る。

最初に取り組んだのはイメージの払拭だ。40~50代の女性がコアファンであるのに対し、男性ファンの多い自動車レースのスーパーGTでBMWのメインスポンサーを務めた。

「まずは男性の認知度を高め、化学反応を生むことを考えました。BMWの車体に『シュタイフ』と大きく入っていれば、分からない人はきっと検索するでしょう。テディベアは男性から女性へのプレゼントとしての需要もあります」

次の一手はキャラクターとのコラボレーション。熊つながりで、「くまモン」のぬいぐるみを販売したところ限定1500体はわずか数秒で完売。その後は次々と人気キャラクターとコラボレーションを展開。「トトロ」「ウルトラマン」「仮面ライダー」「ゴジラ」「ちびまる子ちゃん」「鬼滅の刃」など枚挙に暇がない。

「ナショナルブランドは『伝統と革新の融合』が普遍のテーマです。伝統だけでは衰退してしまうので革新性のある商品としてキャラクターアイテムを始めました。そう簡単には出せませんし、権利が難しいものは実現まで数年かかりますが、周年行事における日本限定発売の記念品などで好評を博しています」

また、産婦人科と連携して出産祝いにぬいぐるみを贈るプランを提案。ドイツでは男女共に出産祝いに贈られた『自分のテディベア』を持っており、この風習を日本にも根付かせたいと始めた。

「かつて高級ブランドは『人に見せるためのもの』でしたが、現在は『自分に癒やしを与え、自分で楽しむため』に購入してもらえることが一番幸せです。私たちもそんなブランドを目指しています」 

会社概要
設立 2013年6月
資本金 1億円
本社 東京都港区
事業内容 ドイツ・シュタイフの高級衣料品・玩具類等の輸入・販売
https://www.steiff.co.jp/