アイデアひとつでお金が集まる時代
インターネットの活用が、これまで考えられなかった、いろいろなことを可能にしている。IoT(すべてのものがインターネットにつながる)という言葉が、流行するのも分かる思いになる。
例えば、あなたが、魅力的なショップを開きたいと考えたとき、先立つものは資本である。こんなときに、手元に開店資金がない場合でも、インターネットが助け舟を出してくれるのである。
これまでなら、懇意にしている銀行に駆け込んで、融資をお願いするか、知り合いに頭を下げてお金をかき集めるしかないのだが、今では、クラウドファンディングという手法があるのだ。
これは、インターネットを通じて、プロジェクト実行者がアイデアをプレゼンテーションし、そのアイデアの賛同者を集める仕組みである。プロジェクト実行者がサポーターに何も見返りをしない寄付型やサポーターに金銭でリターンする投資型、あるいは物品で返す購入型などがあるようだ。徒手空拳で、お金を集めたい向きには、有り難い新手法である。
この手法はアイデアだけがキーとなるのだが、現実の社会でキーとなる要素は、実は「その人物への信頼性」である。さて、どんな人物ならば、周囲から大きな信頼を勝ち得ることができるだろうか。
コミュニティーリーダーは自分の価値を提供する
それが「コミュニティーリーダー」である。コミュニティーリーダーとは理念を共有できるコミュニティー(共同体)を自ら作り、そのリーダーとなることだ。
そして、そのコミュニティーに対して、自分の価値を提供していくことで、信頼を得ていくのである。無論、それは簡単になれるものではない。
売上高31億5200万円、従業員数85人を抱える人材派遣会社、株式会社イマジンプラスの笹川祐子社長は「道産子社長の会」という団体を主催されており、次のような理念を掲げている。
・同郷の経営者同士の交流の場を提供することで繋がりに貢献する。
・北海道のさらなる発展に貢献する。
・経営者としての学びの場を提供し、ビジネス上の課題解決の機会を提供する。
・学びと成長の機会を提供し、日本を背負う財政界のリーダー育成に貢献していく。
北海道にゆかりのある企業経営者が、交流できる場として、活発に活動されており、会の会長である笹川社長は、会員の方々からも、大きな信頼を集めておられるのだ。
損得抜きで切磋琢磨する場
注意しなければいけないのは、コミュニティーとは、あなたが稼ぐ手段としてのメンバーでは、決してないということである。
人を集めれば、自分の商品が売れるだろう。そんな考えではコミュニティーのリーダーは務まらないし、一度はコミュニティーができても、だんだんとあなたから離れていくことだろう。
リーダーとは、メンバーの一人一人の成長と発展のために貢献する、というある意味ものすごく覚悟のいる役割なのだ。
そこには損得抜きの、つまり公共性のきわめて高い「ビジョン」、「理念」が必要になるのである。
しかし、理念を共有することができる仲間が出来れば、切磋琢磨の場が生まれ、営業マンとしても必ず成長することができる。一匹狼で売上を上げてきたセールスマンなら、コミュニティーリーダーになることで、さらなる飛躍を実現できるだろう。
とてつもなく稼ぐ人は、理念を共有するコミュニティーのリーダーとなり、大きな信頼を糧に、さらなる飛躍を成し遂げているのである。
今号の流儀
信頼し、向上しあえる仲間がいれば、成長でき飛躍できる。
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