文化・ライフ

「仕事ではファッションが大事」と言えば、大事なのは中身だと反論されるかもしれない。だが、「仕事では印象(インプレッション)が大事」と言い換えれば、おそらく異論は少ないだろう。「ファッションとは、その人の内面、在り方を表すもの」と考えれば、そのプライオリティは高まるはずだ。本シリーズでは、20年間で2万人以上のファッションをコーディネートしてきた、ファッションスタイリストジャパン(FSJ)の西岡慎也氏が、ファッションとの向き合い方、具体的なテクニックなどを、ビジネスパーソンに向けて伝授する。

ファッションのプロでも古着で失敗することがある

 先日、京都で古着屋巡りをしていたら、昔4~5千円で売られていたジャケットが1万5千円で売られていました。もともと私は古着屋の店員からキャリアをスタートし、プライベートでも古着を楽しんでいた人間です。1点ものの希少価値が上がったことに対して、とても嬉しく思いました。

 ワクワクしながらいろいろと商品を見た後、その日はヴィンテージ物のアロハシャツを購入しました。最高の品を見付けたことで嬉しくなってしまい、それを着て仲間たちと遊びに出かけることにしました。

 お酒を飲んで盛り上がり、最終的にたどり着いたのが女性が接客をしてくれるラウンジでしたが、うっかりアロハシャツを着ていることを忘れて、そのままの格好で行ってしまいました。

 すると「何ですかそれ?」「派手!」と、女性たちに散々イジられるという目に逢い、久しぶりに「早く帰りたい」と思いました(笑)。

 自分はファッションのプロですが(プロだけに?)、着ていく服を間違えると息苦しさを感じるほど恥ずかしくなるということを再認識する出来事でした。

 アロハシャツはたとえばビーチで遊んだり、バーベキューのときなどに着ればピッタリハマるわけですが、それでラウンジの飲み屋さんに行ってしまったのが敗因です。

 確かに女性たちからは「お洒落」とも言われたのですが、それ以上にイジリ甲斐のあるインパクトだったのでしょう。その時のことを思い出すと、決してカッコイイとは思われていなかったのがよく分かります。

古着をネット購入するリスク

 古着好きの方はファッション意識が高い方が多いと思います。でも、TPOを間違えると私のように失敗してしまいます。

 古着を選ぶときは特にサイズ感が重要です。アメリカの古着の場合、Sサイズでも日本のLLサイズだったりするので、絶対に試着してから買ってください。匂いがついていている服もあるので、インターネットで購入するのは非常に危険です。

 30~40代の方で古着が好きな人も多いことでしょう。ただ、昔好きだったファッションも、年を重ねると似合わなくなるケースはどうしても出てきます。昔流行ったウエスタンシャツやラガーシャツなどは、自分が思っている以上に周囲からウケないこともあるので注意が必要です。

 自分が楽しめればいい、というのならOKなのですが、相手からどう思われるかが気になるのであれば、古着選びも慎重になるべきです。

西岡慎也のワンポイントアドバイス ヴィンテージデニム

西岡慎也 ヴィンテージもののデニムは、股上が深く、基本的に腰で履くものです。腰履きすることで脚は短く見えますが、全体的なバランスはとれます。ただ、ある程度年齢を重ねた方が、腰履きをするのはやはりリスクもあります。クラシカルなものを楽んだり、個性を出したいと思う方は全く構わないと思いますが、周囲(特に女性)から「カッコいい」と言われる機会は確実に減るということだけは覚えておいてください。

 (にしおか・しんや)1979年生まれ。茨城県土浦市出身。21歳で米輸入会社ワイルドウエストジャパンに就職し、約4千人のファンを獲得。2001年、セレクトショップ「WITH PREASURE」を独立開業。従来のアパレルの販売方法ではなく、コンサルティングを中心としたコーディネートの手法を確立する。10年にファッションスタイリストジャパンを設立し、多くの著名人、エグゼクティブの顧客を獲得し、現在に至る。
 

 
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