文化・ライフ

 現在、WHOが緊急事態宣言を出した新型コロナウィルス(正式名2019-nCoV)の影響で、巷ではマスクが売り切れていますが、業務用通販の「モノタロウ」で一人10枚まで、現在でも買える高性能マスクをご紹介します。

 

マスクは大きく2種類に分かれる

 

 マスクには、一般用のコンビニやスーパーで売っているマスクと、業務用として医療、工事現場、軍事用として使われるサージカルマスクと大きくは2種類に分かれます。

 業務用では、フィット感を上げながら、漏れ率が少ないものをいろいろと工夫しながら各社が切磋琢磨して競争しています。プロが普段着用しているマスクは、密着度が非常に高く、外からの空気が入らないようになっていて、筆者も密着度フィット感、細菌濾過率BEF(%)、微粒子濾過率PFE(%)、呼気抵抗(㎜H2O/㎝2)、使用限度時間などを参考に買う商品を決めています。

 今回は、その中で筆者自身が東日本大震災の後に、富士山噴火を想定して購入したものをご紹介します。江戸時代にあった宝永噴火から既に313年間も噴火が止まってしまっている富士山噴火噴煙を想定して、噴煙の成分となる細かいガラスから肺機能を保護するために密着性の高いサージカルマスクを用意していました。その際に、検討して実際に使ってみて良いものを備蓄しています。
 世界的なメーカーである3M(スリーエム)社のマスクや日本メーカーのものなど、実際に使った感想なども交えながら解説します。

 

筆者一押しの興研「ハイラック マスク355T」とは

 

日本メーカーならではの企画と性能へのこだわり

 日本の工業用マスクメーカーは数社あり、上場している企業としては、ユニチャーム、興研、重松製作所、中京医薬、JMS、川本産業などがあります。その中で、個人的にいろいろと使ってみた結果、一番おすすめしたいのが、興研が発売している「ハイラック マスク 355T」です。この商品は細やかな企画と性能にも感動したので、特にお勧めします。

 一般的な市販のコンビニマスクなどと違い、業務用を製造販売している興研ブランドのマスク「ハイラックマスク355T」は、さすが日本の企画だと感心できます。

 医療用のサージカルマスクの漏れ率解説として、通常のプリーツマスクは63%も漏れてしまうのに対して、興研は、0.56%まで漏れ率を平均値で削減しています。一般のマスクの中でも性能やフィット感競争がありますが、業務マスク業界でも同じことが起こっているようです。

 興研のホームページには、こんな解説があります。

 「高性能フィルターは当たり前。顔とフィットしなければ、マスクの役割を果たせません。マスクを着けて息を吸った時に、マスクの内側は陰圧になります。もしも顔とマスクの間にすき間があれば、必ずそのすき間からマスクの外の空気が直接漏れ込みます。すき間が大きいほど漏れ込みが多くなり、マスクを着けているのに、フィルターを通らない空気を多く吸い込んでしまうことになります。マスクの着用は、菌やウイルス等を含む空気をフィルターでろ過して吸うことで吸入防止の効果を得ることができます。どんなに高性能なフィルターを使用していても、漏れ込みが多くては意味がありません」

 ここまで、企業が説明してくれていると、なるほど漏れ率が低くなければ吸い込んでしまって意味がないのだと理解できます。

 

興研ハイラック355-T

興研「ハイラック 355-T」(※筆者撮影)

「ハイラック マスク 355T」のどこが凄いのか

 興研 サカヰ式 ハイラック 355型 DS2合格品(価格通常時300円、現在1,900円=6倍)は、内側にフリーフィットリップがあってかなりの密着性がありかつソフトな仕様となっています。

 まず、漏れ率が平均で0.5%と断然低く、安全性が高いために、感染リスクを減らすことができます。その仕組みは、マスク自体が人の顔の形に成形されていて、なおかつ内側にFFリップ(フリーフィットリップ)という独自の仕組みを導入して、曲面構造により顔との接触面積が広がって顔にぴったりとフィットします。

 マスク形状も、顔の動きに追随しやすい設計で、表情の変化による隙間の発生も抑え、着用時にフィルター部が顔に接触せず、フィルター面積を100%有効利用できます。排気弁もついていて全く息苦しくありません。

 また、その内側は吸湿性の高い素材で肌触りが良く、汗などのベト付きを抑えます。4か所の締め紐もそれぞれ調整ができるために、フィット感を上げることができます。締め方がゆるいと、移動中などマスクがずれたり、すき間が生じて漏れ率が上がってしまいます。逆に、きついとマスクが変形してすき間ができたり、顔や頭に痛みが生じる原因にもなってしまいます。

 紐の素材についてもこだわっていて、ウレタン製にしているおかげで吸湿性に優れ肌触りが良くなっています。ラテックスフリーなので、ゴムアレルギーによる肌荒れも防げます。

 一方、競合他社の業務マスクは紐がゴム製のものが多いので、長時間つけていると痛く感じました。

「ハイラック マスク 355T」を実際に使ってみて

 筆者は、「ハイラック マスク 355T」を航空機の中で何度か着けましたが、数時間着けたままでも全く違和感なく安心していられます。空港には海外からの渡航客が多いため非常に不安感がありますが、このマスクをしているだけで安心感は上がります。

 特にフィット感が抜群でウレタン製の紐のために耳が痛くならず、立体成型のため、動いていてもフィット感が持続し、排気弁がついているために全く息苦しくありません。付け外しも、S字フックに頭の後ろで引っ掛けるだけなので簡単にできます。

 何よりもこれは凄いと感じたのが、他社の業務用マスクと違ってマスク内部の湿度が適度に保たれることです。

「ハイラック マスク 355T」のデメリット

 デメリットを挙げるとすれば、まず価格が高いところです。

 希望小売価格はメーカーページで400円となっていて、現在、通販で買うと300円程度です。コンビニなどで売られているマスクなどと比べたら相当に高いです。

 それから見た目も、弁がついているために少しだけ目立ちます。一体成型であるために、折り曲げて持ち運びができるということなのですが、少しかさばります。

 

競合製品で良いマスクは

 競合他社で次に良いマスクを挙げるとすれば、3M社 「折り畳み式防護マスク9211 N95」(価格通常時300円、現在1,300円=4倍)でしょう。持ち運びが便利で備蓄が多めにでき、密着度も高くなっています。

 筆者はこの商品を2011年に100枚程度購入していますが、かなりのフィット感と排気性能と漏れ 率の低さを感じます。ただ、紐がゴムのために耳が少し痛くなります。フック式ではないために眼鏡をかけている人などは付け外しに苦労するかもしれません。シンガポール製なので、製品が不足している中国製よりは入手しやすいと思われます。

3M社「9211 N95マスク」(※筆者撮影)

 

まとめ

 以前、各社のマスクを比較検討した際に、密着度が高い弁なしのサージカルマスクを使ったことがありますが、呼吸が苦しく長時間の着用が難しかったこともあります。なので、サージカルマスクなら間違いなく弁付きを買うことをお勧めします。また、漏れ込みが多くてなっては意味が無いので、密着度を高めるために多少ゴム紐をきつくすることが必須です。

 見た目は大げさかもしれませんが、通勤の満員電車など、動けない状態で人と密着する状況を考えれば、仕方ないと諦めるしかありません。見た目と安全のどちらを取るのかは、装着者次第です。

 普通のコンビニマスクを着けるか、業務用マスクを着けるかは、商品の好みや値段を考慮して、最終的には、その人の価値観に合ったものを選べばいいと感じます。

 ただ、閉鎖空間での人前でのくしゃみは、腕を口に当ててするなどマナーを守ってもらいたいものです。マスク着用以前に、手洗いとうがい、体調管理を行って自己免疫機能を向上させることが一番なのは言うまでもありません。

(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)

※本連載の過去記事はこちらから

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山本康博(やまもと・やすひろ):ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役、ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、マーケティング実績30年以上。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)など。

 

 
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