愛知県名古屋市の工場で電気設備、プラント工事などの電気工事を請け負ってきたセイクン。それら主要事業の業績も好調であるが、近年特に注目を集めているのが、同社が日本総代理店を務めるスペイン発の新しいタイプの避雷針「dinnteco」(ディンテコ)だ。(『経済界』2020年4月号より転載) 

上野 晃氏

セイクン代表取締役 上野 晃(うえの・あきら)

 

 近年、異常気象が増えるにつれ、企業は災害対策を余儀なくされている。しかし、「雷」の被害は年間を通じて多いものの、その対策については後手、手薄といった現状がある。

 「避雷針は法規制で設置義務がありますが、現状選択肢は非常に少なくニッチな世界です。しかも近年工場やオフィスなどIT化が進んでいますが、落雷に対する備えはまだまだ古いところが多い」と上野晃代表は注意を促す。

 落雷は上から下への一方通行ではなく、最初に雷雲から地上に放電が起こり、同時に地面から雷雲へと放電が起こる。この上と下からの放電がつながると落雷になるが、一般的な避雷針は雷を避けるのではなく、高い部分に先の尖った金属を設置することで落雷を誘発し、それを地面に放電することで被害を少なくしている。ところが、それでは被害を防げないと上野氏は語る。

 「避雷針で建物への直撃や人への被害を防ぐことはできても、建物内の配線を通じて内部の電子機器・電子製品などが被雷する『内部雷』が発生すると、大きな被害が出る」

 例えば、精密機械や各種電子データなどを破損した場合には被害額も膨大になる可能性があり、保険が利かないケースもある。それ以上に復旧に要する時間や手間など見えない被害も膨らんでいく。「この問題を解決するのが雷を誘発させないdinnteco避雷針だ」と上野氏。

 同社は2017年に日本国内の総代理店の資格を得てから2年かけ国内の代理店整備に力を注いできた。

 昨年は北海道から沖縄までの主要地区を回り、認定施工会社の講習を実施し、同年末には100社、300人超の協力会社を迎えて新体制を整えた。現在、行政管轄の競技場を有する大規模公園や海上保安庁から受注するなど事業は好調に推移しており、20年には年間200カ所の設置を目標に掲げている。

 「dinnteco」は、日本でも需要の高い、風力発電機の雷害対策に特化した新製品の発表を控えている。また、マドリード大学とINTA(スペイン航空宇宙技術研究所)の共同研究により、これまでにない電磁波対策への応用なども世界的に期待されている。

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会社概要
設立 1983年8月
資本金 4,500万円
売上高 9億円
所在地 名古屋市南区
従業員数 45人(パート含む)
事業内容 制御盤設計製作、電気工事全般 、落雷対策工事、教育事業、部品販売
http://www.seikun.co.jp/
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