経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

子供たちの明るい未来のために新たに発達障害支援事業へ参入――木下 敦(SBC+ホールディングス代表取締役)

2017年から事業持ち株会社の「SBCホールディングス」が本格始動した。傘下には「サンユーメディカル」、「ボーン・コーポレーション」、「クリオ・メディシス」と、昨年設立した「サイバースティール」の4社が連なり新体制で業容の拡大に挑んでいく。

子供たちの明るい将来に役立つ事業を

株式会社SBC+ホールディングス 代表取締役 木下 敦(きのした・あつし)

株式会社SBCホールディングス
代表取締役
木下 敦 (きのした・あつし)

医療機器販売や院内業務受託、開業支援などを通して地域医療の発展に貢献してきたサンユーメディカルを中核に業容を広げてきた同社は昨年、組織改正を行った。グループには医療機関向けのシステム開発、運用をしているクリオ・メディシス、足立区に限定して地域の病院やクリニック向けに医療機器販売や訪問介護事業を展開しているボーン・コーポレーションがある。それに加え昨年11月にはシステム系の業務を内製化するためにサイバースティールを設立。これに伴って純粋持ち株会社だった「SBCホールディングス」を事業持ち株会社の「SBCホールディングス」に転換した。

木下敦代表は「グループ内のシナジーを高めてコストの削減を図ることが最大の狙いです。事業持ち株会社では金融面などを一元管理で行う一方、新しい分野に挑戦します」と語る。

その新規事業とは児童発達支援事業で、具体的には発達障害などの病気を持っている未就学児童(5歳児まで)、就学児童(小学生)を対象としたデイサービスである。発達障害はタイプによってさまざまあるが、代表的なADHD(注意欠如多動性障害)は感情を制御したり、集中することが苦手で、長く座っていられない。また整理整頓ができず集団行動になじめないなどの症状が出るが、早期に適切な療育を行えば大人になるまでに改善することも多いという。

「私の仕事の源泉は、仕事を通して社会の役に立つことです。日本が将来にわたって繁栄していくには、子供たちが元気に明るく健やかに育つかどうかにかかっています。これは健常者も障害者も同じで、自分が絶対にやらなければいけない仕事だと思いました」(木下代表)

施設は早ければ今秋にも都内で開所する予定だ。

ナーススニーカーから生ごみ処理機まで新規商材を投入

会社ロゴ グループのサンユーメディカルでは今年、新商品がいくつも生まれそうだ。1つ目は消滅型生ごみ処理機「イブクロイン」。バイオ製剤で生ごみを水に分解、下水に流せる仕組みで、毎日大量の生ごみが出る飲食店や病院向けの商材だ。ホテルでは残飯の中にストローなど、いろいろなものが混じるため分別も大変で人件費もかかる。しかも行政からは生ごみの排出を抑えるよう指導もある。OEM販売となるがすでに実績のある機械で、5年で投資額を回収できるのでコストパフォーマンスもいい。

2つ目はccilu(チル)とタイアップした「ナーススニーカー」の販売だ。主原料のccilucell(チルセル)は独自のナノ調剤によって軽さと高い機能性がある合成樹脂で国際環境基準にも適合した素材。軽さのほかに衝撃吸収性、耐摩耗性、抗菌・防臭効果、フィット感に優れている。アマゾンに伝わる伝説の“草サンダル”が発祥で、立ち仕事が多いナース向けの商材として販売する計画。独占販売している医療用「クロックス」に次ぐラインアップとなる。そして3つ目は消臭効果の高いオゾン消臭器「エクレールフレッシュPro.」。終末期の患者が多い病院はどうしてもさまざまな臭いが立ち込めるもの。サンプリング調査で高い評価を得たことで販売を開始、病院やホテルなどをターゲットとしている。

新規に児童発達支援事業に参入する一方で、グループ各社も続々と新商材を投入する同社にとって、今年はまさに“挑戦”の年となりそうだ。

株式会社SBCホールディングス

  • 設立/2006年
  • 資本金/4000万円
  • グループ売上高/150億円
  • グループ従業員数/90名
  • 事業内容/医療機器・医療用具販売、院内業務受託、開業支援など

2017年 注目企業43