経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

中高生の”やりたいこと探し”をサポートする教育事業「Tenki for teens」とは

問題解決型学習「PBL」を導入した総合選抜入試対策塾

不確実性が高まる時代において、どのような人材を育てていくかが世界中で課題となっている。

その中で、先進国37ヵ国が加盟しているOECDで注目されているのが、問題解決型学習「PBL」だ。学生自身が社会に貢献できる方法を探究し、社会課題を解決するための行動を起こすことが期待される学習理論である。

実際に、日本で「PBL」を実践した学生が成果を出しており、1人の高校生が2つに分断された地域同士の関係を修復する活動に成功した例や、お菓子の過剰包装の削減を某大手製菓メーカーに約束してもらった例など、学生が社会を先導する働きを見せている。

そうした中、PBLに基づき、中高生に向けたキャリア教育のプログラムを提供する事業が存在する。それが総合選抜入試(旧AO入試の名称で、受験生の個性や大学で学びたい意欲を重視する入試)の対策塾「Tenki for teens」だ。受講した生徒たちは、東京大学や早稲田大学、国立大医学部などへの入学実績がある。事業を立ち上げた代表の佐藤遥香氏に話を聞いた。

Tenki for teensの教育プログラム

自身と社会を探究する教育プログラムを提供

ーーTenki for teens」が高確率で生徒を第一志望校に合格させている強みとは?

佐藤 Tenki for teensが他の塾と違う点は、実績のある学習理論に基づいて、教育のプログラムを進めていることです。

例を挙げると、過去の延長線上にないものを生み出す「U理論」や、問題解決型学習「PBL」、学びの提言(方向性)となる「OECDラーニングコンパス」などを導入しています。これらに加え、まずは全体の流れとして、生徒が自己分析を重ねて「自己の理解」に努めます。そして、自身が興味のある社会分野を探究しながら、その社会の中でどのように貢献するかや、やりたいことを実現する方法を共に考えて実行に移します。

さらに、オンライン動画や1対1のコーチングなど、現時点で80種類以上になる教育のプログラムを提供することで、中高生の“やりたいこと探し”をサポートしています。

Tenki for teens
佐藤遥香・Tenki for teens代表

年単位で生徒と向き合い小手先の対策はしない

ーーご自身が入試対策塾に通っていた経験は、どのように事業に生かされていますか?

佐藤 入試のための小手先の対策ではなく、1〜2年単位で生徒と向き合い、心の中にある「何をしたいか」を引き出すようにしています。

1年後に志望校に出願する生徒の場合、約10カ月は自分探しや社会探求、「PBL」の遂行に時間を掛けて、残りの2カ月で出願書類や面接などのクオリティーを上げていきます。このように時間を掛ける理由として、私が入試対策塾に通っていた頃、「本当に学生の未来に繋がる指導がされているのか」と疑問を覚えたからです。

例えば、入試に合格するために、実際に経験していない内容を志望理由書に記入するケースや、ほとんどの生徒が自分軸が定まっていない状態で志望理由を書くなど、入試のための一時的な対策になっている状況を目にしました。これは、世界情勢や学習理論を踏まえ、生徒にとって本当に重要な点を理解していないことが原因だと思っています。

なので、Tenki for teensでは、今できる事を生徒と共に考え、実際にプロジェクトとして行動に移します。その行動が結果的に実績となり、志望理由になっていくと考えています。

Tenki for teens
Tenki for teensの合格実績

学生の頃から志や軸づくりに取り組む

ーー将来の進路を学生と共に考える際、大切なことは何でしょうか?

佐藤 進路を検討する際、つい知名度で大学を選びがちですが、自分のやりたいことやなりたい理想の姿から逆算して、「どんな大人になっていたいか」を考えることが大切です。私自身も「大学への入学後、何をすれば良いか分からない学生」を目にしてきましたし、「新卒の約7割が今の会社をやめたいと思っている」と言う話も聞きます

 ですから、学生の頃から「自分の過去の振り返り」や「夢の見つけ方」などの自己探求を行い、自分の好き嫌いや得意なこと、大切にしている価値観を知ることが大切です。そして、どのような大人が社会の中で働いているのかを知り、自身の視野を広げ、社会の中で活動する自分をイメージする作業も必要だと思います。

これらを過程を踏まえることがTenki for teensの教育プログラムに取り入られており、自分に合った大学を探すことで、入学後も自分の志を軸にした行動が期待できると考えています。

学生の教育に関して、文部科学省も学校側に、アクティブラーニング(生徒が能動的に参加する学習)を行うように伝達している。それに加え、総合選抜型入試(旧AO入試)は、ここ20年で導入割合が7倍に伸びており、知識量偏重の時代と比べ、学生のポテンシャルが一層注目されるようになっている。学生が「やりたいことや、力を発揮できる分野」を見つけられる機会を、大人が提供することが今必要なテーマである。(戸村光・hackjpn CEO)