経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

DXの加速を見据え意欲的に新事業に挑戦―スリーエス


スリーエス社長 諏訪原大作
スリーエス社長 諏訪原大作(すわはら・だいさく)


 「北海道ナンバーワンのIT企業を目指す」。現体制となった2019年から大きな目標を掲げるスリーエスは、ITシステム・ソフトウェア開発で幅広い実績を持つ。アイ・エス・ビーグループとの連携も強め、コロナ禍にも着実な成長を続けている。

グループの連携を生かし全国の仕事を受注

 新型コロナウイルスの感染拡大により、IT業界には大きな変化が訪れた。

 「ほとんどの仕事がリモートになり、北海道にいながら全国どこの仕事でもできるようになりました」とスリーエス社長の諏訪原大作氏は振り返る。同社は元々、親会社であるアイ・エス・ビーのニアショア拠点として、首都圏をはじめ道外の仕事も受注できることを強みとしてきた。

 「以前は単に首都圏業務を北海道に持ち帰ってのニアショア開発でしたが、リモート化が進んだことにより、北海道に居ながら首都圏業務を直接開発できるまでドラスティックに仕事の流れが変わりました。また、当社はプライムユーザー(元請けでの受注)を獲得していますが、人員が欲しい時にはグループ各社のサポートを受けられることは非常に心強いです」と、アイ・エス・ビーグループ内の連携の強みを実感しているという。

 2021年9月にはデジタル庁が立ち上がり、社会のDXへの取り組みは加速している。行政が率先してデジタル化を進めるために、来年度から25年までの間に一気呵成に自治体情報システムの標準化が進められる予定だ。これは創業当時から官公庁向けシステムを事業の中心としてきた同社にとって、厳しい環境になるかもしれないと諏訪原氏は危機感を持っている。

 「これまで弊社が関わっていたシステムも、保守作業をメーカーが一括して行う体制になるかもしれません。しかし、この業界にとってこのような事態は宿命のようなもの。あと3年ほどで官公庁システムの売り上げが半減するかもしれない覚悟、さらにはそれが金融などほかの業界にも波及していく覚悟を持って、今までとは違うことをしていかなければいけないと思っています」

 これまでも同社はAI(人工知能)、DX、5G対応、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの先端分野の開発に取り組んできたが、今後は一層注力をしていく考えだ。地元大学との研究開発事業におけるクラウド化やアプリ開発、漁業に関するAI開発など北海道ならではの一次産業に関わる技術開発を進めるとともに、AIに関してはハードウェアメーカーと組み、AI技術を実用化した製品販路の開拓を模索している。

成長の鍵は若手の力人材確保と育成に注力

 新事業への挑戦を進めるにおいては、若い世代の力を発揮させることが不可欠だと諏訪原氏は考えている。「新しいものを生み出そうとする場合、デジタルネイティブである若い世代の力は必須で、それを生かすためには彼らのやり方で仕事を進められるようにしなければいけません。そこで部門管理職の若返りを図りました」 毎月の事業本部会議では、各部門で予算達成を競い合う良いライバル関係が生まれ、活性化に成功した。

 しかしテレワーク下では、進捗確認や質問・回答などの社内コミュニケーションが取りにくくなったことで、生産性が下がる社員も出るようになった。そこで、20年から導入した目標管理制度を強化。具体的かつ現実的な目標を設定することで、若手社員のやる気を引き出している。

 新入社員の採用も重視しており、コロナ禍の20年度、21年度も10?15人の採用を続けている。同社に必要な適性を持った人材を見極めるため、選考には諏訪原氏も参加し自ら志望者の面接を行う。

 「文系の学生も積極的に採用しています。プログラミングの知識や経験がなくても、3年も教育すればお客さまとの折衝能力などを伸ばして戦力になってくれます」

 経験や知識に差のある新人を戦力になるまで育成するには教育が重要だ。これまでは1カ月半~2カ月の時間と多額の費用を投下し、外部教育による研修を行っていたが、22年度からは新人教育を含めた研修システムをアイ・エス・ビーグループ(株式会社テイクス)に委託する予定だ。これにより、同社に合った研修の費用負担を軽減して実施することが可能となる。

アイ・エス・ビー
前列左から、アート 関本祥文社長、アイ・エス・ビー 若尾逸雄会長、
アイ・エス・ビー 若尾一史社長、スリーエス 諏訪原大作社長
後列左から、テイクス 常世佳右社長、エス・エム・シー 脇浜弘志社長、アイ・エス・ビー 廣瀬雅也執行役員

 「今後DXが進むほど、知識を持つ人材は宝になります。グループの一員であるスケールメリットを生かし、人を育て、会社も成長を続けていきたいと思います」

会社概要
設立 1979年4月
資本金 2,000万円
売上高 18億7,000万円(2020年)
所在地 北海道札幌市東区
従業員数 129人
事業内容 ITシステム、ソフトウェア開発
https://www.sss-i.co.jp/

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