経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

福祉ビジネスでSDGsを実現する方法

介護・福祉業界の異端児 藤田英明の福祉再編(第2回)

福祉ビジネスとSDGsの結びつき

 ありがたいことに、新卒採用では、当社で働きたいという学生から、多数の応募をいただいております。学生たちと話していると「企業のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み」にとても関心が高いことがよく分かります。

 当社は福祉ビジネスを行っていますが、SDGsのいくつかの目標を達成していることが、学生たちの志望動機にかなっているのでしょう。

 事業に参加していただいているパートナー企業の方も、最近はSDGsを意識されており、これからはSDGsを無視して事業を進めるのは難しいと感じているそうです。

 では、福祉ビジネスがどのようにSDGsと結び付いているのかをお話ししましょう。SDGsの17の目標の中で、特に次の6つは当社が以前から取り組んできたことです。

・貧困をなくそう
・すべての人に健康と福祉を
・働きがいも経済成長も
・人や国の不平等をなくそう
・住み続けられる町づくりを
・パートナーシップで目標を達成しよう

グループホームの運営でSDGsの目標達成が加速

 当社では、障がいのある人向けにペット共生型のグループホーム「わおん/にゃおん」のサービスを展開しています。障がい者の方にとって、安心して住める場所があることはとても重要です。住む場所があることで、就労支援を受けて仕事を見つけやすくなります。そして働きがいを得て、お金を稼ぐことができれば、貧困から脱出できます。さらに健康も維持できますし、福祉を十分に受けられます。それをサポートするわれわれの事業は、まさにSDGsにあてはまっているといえるでしょう。

 また、グループホームには空き家を活用しています。誰も住んでいない空き家が増えると、町の機能を失ってしまうため社会問題になっています。当社は空き家を活用することで、住み続けられる町づくりに貢献しています。

 もし、空き家を壊して新しく建て直すとなると、廃棄するゴミが出て、新しい資材が必要になります。空き家を修繕しながら使うことは、環境にも負荷をかけない方法なんです。

 このグループホームの運営は、全国のパートナーの協力のもと進めています。それがSDGsの目標達成を加速させているのです。

 当社では業界初の障がい者向けのスマホを開発し、10月に発売を始めました。障がいのある人が割高なプランに加入させられたことや、機能がうまく使えないことなど、これまで多数の声が寄せられていました。そこで、料金は一定で、居場所が分かるGPS、何かあった時に押しやすいエマージェンシーコール機能を付けたスマホを開発したのです。

 障がいがある人も平等に適正なサービスを受けられるような事業に取り組むことも、SDGsの目標にかなっていると思っています。

 このように福祉ビジネスは、自然とSDGsとの関わりが深くなっていくのが特徴です。特に空き家を活用したグループホーム事業は、複数のSDGsの目標に合致しています。これからもグループホームの数をどんどん増やしていきたいと考えています。

 アニスピホールディングスでは、障がいのある人たちがいくつになっても安心して暮らせる場所を、私たちと一緒に作ってくださる方を求めています。

藤田英明・アニスピホールディングスCEO
Photo =西畑孝則

ふじた・ひであき──1975年生まれ、東京都出身。明治学院大学社会学部社会福祉学科卒業。社会福祉施設で多数の現場を経験し起業。小規模デイサービス「茶話本舗」をフランチャイズ化するなど、「論語と算盤で業界にイノベーション」を掲げた経営を実践し、業界の異端児として注目を集める。現在、ペット共生型障がい者グループホームを全国627拠点運営するアニスピホールディングス代表取締役CEO。全国障害福祉事業者連盟理事長。