経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

ホールディングス体制によりワンストップで課題に対応できる事業体制に 永井宏典 ナガイホールディングス

ナガイホールディングス 永井宏典

名古屋市を中心に5千件以上の事業所、店舗の事業系一般廃棄物を収集しているナガイホールディングス。2020年4月、事業拡大のためにホールディングス体制へと移行し、本社も移転した。今後の展望を永井宏典社長に聞いた。(雑誌『経済界』2024年11月号「リゲイン中部経済」特集より)

ナガイホールディングス 永井宏典社長のプロフィール

ナガイホールディングス 永井宏典
ナガイホールディングス 永井宏典

 「経営資源の集約と適切な配分による競争力の高い事業体制に改革し、お客さまの課題にワンストップで対応できる体制を構築しました」と語るのは永井宏典社長。創業以来、M&Aで事業を拡大し2018年頃からホールディングス化を構想。でも移行のタイミングはコロナ禍と重なった。

 「20年4月当時はコロナ禍で経済活動が停滞、収集している廃棄物の量は通常時と比べ2割ほど落ち込みました。ただ、当社は仕入れのない事業なので在庫リスクがありません。そのため利益でいえば21年、22年、23年は3期連続で過去最高益を更新することができました。収益が上がったのはサブスクモデルで稼働している事業もあるため、ストック収益で粗利益が増えたということが、大きな要因の一つです」

 24年3月には本社オフィスを複合商業施設「イオンモール Nagoya Noritake Garden」に併設されたオフィス棟「BIZrium名古屋」へと移転した。

 「100坪以上のワンフロアで社員みんなが働ける場所を探し、現在の場所へ移転しました。結果として、社員同志のコミュニケーションが活発になってさまざまな課題への対応力が上がってきました。働く環境も大きく改善されたので、作業効率も高まっています。また、多くの方からM&Aのご提案をいただけるようになるなど、本社移転とホールディングス化は大きな相乗効果を生んでいます」

 新入社員の採用活動にもいい影響が出ているという。日本は人手不足で多くの企業は人材採用や育成に苦しんでいる。建設業やサービス業はそのせいで商機を失っているケースも少なくないが、同社はいち早く組織の効率化や働く環境を整備したことでさらなる飛躍への一歩を踏み出したことになる。

 「近年は環境問題への意識改革が進み、ゴミも削減されています。当社もただゴミをたくさん集めて処理するというビジネスモデルからの転換を考えています。既にグループ会社のリプロでは、廃食用油を用いてディーゼル発電機用燃料を製造するクリーンフューエル事業を行っていますが、今後も第2、第3の新規事業を作っていきたいと思います」 

会社概要
設  立 1975年(創業1926年)
資 本 金 3,000万円
売 上 高 31億5,000万円
本  社 愛知県名古屋市
従業員数 150人(2024年3月現在)
事業内容 環境コンサルティング事業、廃棄物一元管理事業、再生資源卸売事業、環境機器販売事業、軽貨物運送事業「エヌドライブ」運営、リサイクルステーション「エコスタイル」運営、事務代行事業
https://nagaiholdings.jp/