「世界で一番社会を変える会社」を目指すDYM。WEBプロモーションを皮切りに人材紹介、研修、医療などの事業に取り組む。12期連続増収の達成と加速度的に成長を遂げる要因は何か。
水谷佑毅(DYM代表取締役社長)「千年後にも続くエクセレントカンパニーを目指す」
DYMは創業から12期連続で増収を達成している。2015年4月期の売上高は44億2千万円を計上し、今期は72億8千万円を見込むなど、その成長はとどまることを知らない。創業者である水谷佑毅社長は「千年後にも存続するようなエクセレントカンパニーをつくりたいですね。顧客や従業員のためにも事業の安定性と圧倒的な成長力の両立を図っています」と強調する。
DYMにおける事業基盤の維持・強化を促すのは、水谷社長がコアコンピタンス(競合他社に真似できない核となる能力)として掲げる“法人営業力”と“新規ビジネスの開発力”だ。
営業力は祖業であるWEBプロモーション事業で培った。地道なテレアポを通じて、経営者へアプローチ。徹底的なヒアリングを通じて、集客や業績向上といったその企業の課題に即したプロモーションを行っている。
「押し付けではない最適な提案ができるノウハウはWEBプロモーション事業で養いました。ここで築いた法人顧客の基盤はDYMにとっての財産です。ニーズの高い新サービスを既存顧客に提供していけば、経営が揺らぐことはありません」
水谷佑毅(DYM代表取締役社長)自らの発案で新卒や顧問の人材紹介や、医療事業、企業研修などを次々開始
同社ではこの営業力を、市況の変化で不安定になりがちな個人向けではなく、安定収益を見込める法人向け事業でいかんなく発揮している。水谷社長自らの発案で新卒や顧問の人材紹介や、医療事業、企業研修などを次々開始している。
特に同社の収益を支える屋台骨に育ったのが、新卒紹介事業だ。採用マッチングイベントを通して、高学歴生や理系学生などを企業にマッチング。既存の就職サイトでは十分な人材を確保できなかった中小企業の不満を解消し、導入実績1600社、内定を承諾した学生数4100人、イベント開催年間390回と業界トップクラスの実績を誇るようになった。今期においても好調な採用マーケットを受け、同事業の業績は前年比50%増で推移している。企業の新規開拓が進み、大手企業の地方採用という新たなニーズに対応したことが奏功した。
医療事業では、タイ・バンコクにおいてクリニックを運営。在留邦人の来院が増えたため、今年6月にクリニックを拡張移転し、同国で新たな医院の開設を計画するなど、事業は順調に推移している。そのほか、中国の富裕層を対象に日本への医療ツーリズムへ参入。DYMも加盟する世界的な経営者団体や富裕層向けの会員制医療サービス会社と提携し、ビジネス拡大に弾みを付ける。
そのほか、新入社員から幹部までを対象にした企業研修事業や、実績や人脈を持つ顧問候補を企業に紹介するエグゼパート事業の業績も前年比倍増で推移。政府が来年度からの解禁を目指す「企業版ふるさと納税」を受け、納税代行サービスを計画するなど、次のビジネスの種を着々と仕込んでいる状況だ。
「どの事業もマンパワーを拡充することで手堅い成長が期待できます。会社を起こしたからには、将来的に年商1千億円、1兆円を目指したい。最終的には売上高で日本一の企業になれるよう、熱く取り組みたいですね」
株式会社DYM
- 設立/2003年8月
- 資本金/5千万円
- 売上高/44億2千万円(2015年4月期)
- 従業員数/278人(グループ全体)
- 事業内容/WEBプロモーション、人材紹介、研修、医療の各事業など
- 会社ホームページ/https://dym.asia/