雑誌『経済界』2022年9月号より)
パソナグループでは今年4月、約100人の新卒社員が新たなスタートを切った。そしてこの新卒採用に当たっては、「ハイブリッドキャリア採用」という新しい試みが行われた。ハイブリッドキャリアとは、単一的なスキル習得にとどまらず、複線的キャリアを構築していくというもの。
具体的には、新入社員が配属部署での業務に携わりながら、「インサイドセールス×農業」、「施設運営×音楽」、「人事×新規事業立ち上げ」、「経営企画×会社運営」、「人材サービス×スポーツ」等、〈職種〉と〈場所〉を超えて、入社1年目より社内の複数の業務に従事することができるようにするものだ。
これは「社内×社内」のハイブリッドキャリアのイメージだが、「NPO運営(社外)×経理」、「家業経営(社外)×施設運営」、「スポーツ選手(社外)×営業」、「音楽家(社外)×秘書」といった「社外×社内」のハイブリッドキャリアなども今後想定している。パソナグループで週20時間以上の就業を原則とするが、フレックス制度で勤務時間を調整するなど、会社として最大限支援する。
パソナグループは南部靖之代表が1976年に起業して以来、「誰もが自由に好きな仕事を選択し、一人ひとりの人生設計にあわせた働き方ができる社会を築く」ことを目指してきた。コロナ禍など予測不能な社会変化が起き得る時代には、あらゆる環境に対応できる人材の育成が不可欠だ。パソナグループが支援するハイブリッドキャリア採用は、そうした社会の要請に応えるものといえるだろう。