成功は窮苦の間に芽生えており、失敗は得意満面の間に宿る
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「繊維相場の神様」越後正一氏の名言
越後氏は繊維相場で勝ち続け、「繊維相場の神様」と呼ばれた人物。綿糸布部長時代の1927年、大相場で勝利したことがライバル・丸紅の綿糸経営からの撤退のきっかけになったといわれる。1960年に社長に就任すると非繊維部門を拡大。自動車産業や石油産業に進出して、1974年に退任するまでの間に、資本金6.5倍、人員2.7倍、売上高10倍にするなど、伊藤忠商事を大きく成長させた。
1901年、滋賀県愛知郡葉枝見村(現・彦根市)生まれ。7人も姉弟がいたため進学を断念して伊藤忠商事の採用試験を受けて合格。伊藤忠商事の創業者である伊藤忠兵衛氏の目に留まり八幡商業学校へ、さらに1年浪人して、神戸高等商業学校(現・神戸大学)へ進学した。
神戸高等商業学校には伊藤氏の家に書生として住み込みながら通学した。当然、卒業後は伊藤忠商事に入社するつもりだったが、同社は世界恐慌の影響で大量の人員削減をしたばかり。やむなく他社の採用試験を受けて合格したが、「忠兵衛氏さんへの裏切りになる」と父親が猛反対したことから、同僚の約半分の給料で採用してもらうことにした。
掲出は、冒頭に紹介したように繊維相場で勝ち続けた同氏の言葉。相場というもの、いうまでもなく上下する。その波をいかに読むかがカギだ。同じことはビジネス全般にもいえる。ずっと同じ調子で成長が続くことなど有り得ない。順境のなかに失敗の芽が、苦境のなかに成功の芽が生じている。それを見逃さず先手を打つことがリーダーの仕事だ。[提供:経営プロ]
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