政治・経済

 総務省が7月下旬、スマートフォンの「実質0円」販売などを是正するガイドラインを順守するよう、携帯電話大手3社にあらためて要請した。

 3社は5月以降に相次ぎ割引キャンペーンを実施しており、これを適用すると、スマホの購入価格が再び実質0円以下になるケースがあるためで、ガイドラインを軽視しているとして各社に是正を求める。各社はガイドラインに応じて7月末で一部の割引キャンペーンを終了したが、総務省の是正指導は今年3月のガイドライン策定以来、2度目。指導してもしばらくすると新たなキャンペーンで実質0円が復活する「もぐら叩き」のような状況に、同省幹部も「通信事業者はショップの監視を強化してほしい」と不満を募らせる。

 総務省が問題視している割引キャンペーンは、他社を解約した新規契約者らが、米アップルの人気スマホ「iPhone6s」を400円程度とタダ同然で購入できる場合や6千円程度がキャッシュバックされる場合もあったという。各社はこうした“抜け道”を狙った値引き競争を繰り返している。

 “抜け道”が可能な理由はガイドラインが曖昧で、各社が正当性を主張しうる狡猾な理屈の余地を残しているからだ。ガイドラインでは、他社を解約して新たに新規契約する「解約新規」も、番号持ち運び制度(MNP)を利用して携帯事業者を変更するケースと実質的に同じだとして、極端な割引を是正すべきとしている。しかし、新規契約の場合には、2台目のスマホを購入するケースもあり、これらは「純粋新規」とも言われている。各社が「純粋新規を対象にしたものだ」と主張すれば、ガイドラインの適用外になる可能性もある。

 総務省が、キャンペーン対象の新規契約者は解約新規が多く、キャンペーン自体を是正すべきだと判断できたのは、独自に実施している販売店の実態調査に加え、携帯事業者間の“チクリ”があるからだ。「ガイドラインの趣旨を曲解している会社もある。問題があれば総務省に訴えていく」(携帯大手幹部)との指摘もあり、事業者間の牽制も背景にあるようだ。

割引プランで透けて見える携帯大手の強欲

 

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