激動の1年の到来だ。日本国内では歴史的円安が猛威を振る い、日経平均がバブル崩壊後最高値を更新するニュースが話 題となる一方で、日銀も長短金利操作の撤廃とマイナス金利 解除が現実味を帯びつつあり、市場環境の大きな変化が目前 に迫る。世界市場を冷え込ませる地政学的リスクも見過ごせ ない。本特集では、このような厳しい環境を克服しつつ、ピンチ をチャンスに変え、さらなる事業拡大や新事業創出に向けて取 り組む企業を取り上げる。激動のタイミングこそ、企業が蓄え ていた実力を縦横に発揮するチャンスとなる。
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挑戦と飛躍
事業拡大への道は決して平坦なものではない。「失敗は成功の母」という言葉が示すように、艱難辛苦を乗り越えた先の景色を見るためには、失敗をものともしないレジリエントなしたたかさが求められる。挑戦こそ成功への近道となる。
本質が事業の核をつくる
コア事業をつくり洗練させていくことは、100年企業の実現に向けて欠かすことのできない取り組みだ。変わらないものを見極め守り抜くと同時に、組織は変わり続けなければならない。経営は時代に即応しつつ、進化し続ける営みに他ならない。
理念と実践の好循環
構想と事業化に向けた取り組みはどちらが先にあるものでもない。まず実現に向けた行動から計画や展望が開けることもあり、逆も然りだ。猛進しつつ常に引いて全体を眺めるこの両輪のバランスが、経営にとってアルファでありオメガである。
経営力が現場力を養う
トップダウン、あるいはボトムアップにせよ新製品・新サービスは全て現場の知恵から生まれる。現場を軽視して、高クオリティなサービス、ひいては顧客満足度を実現すことは不可能だ。経営トップと現場との緊密な結び付きを具現化する企業が勝ち残る。
改革の軌跡
現在のビジネスは絶えざるトライアンドエラーと現場からのフィードバックがあって生成してきた、変化し続ける力に満ちた「暴れ馬」のようなものだ。この改革の実践を糧にする獰猛な生物をこれからどう成長させていくか。その手腕が問われている。