コロナ禍での危機的な状況から一転、右肩上がりの成長を続けるゴーウェル。松田秀和社長は25歳で世界50カ国に訪問し、29歳の時にタイで起業。その後、東南アジア諸国での数多くのビジネスを武器に、高度外国人材に関するビジネスをリードする。(雑誌『経済界』総力特集「注目企業2024」2024年5月号より)
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ゴーウェル 社長 松田秀和氏
ゴーウェルのアジア関連事業のうち今最も注力しているのが「グローバル人財事業」だ。外国人材と企業とのマッチングを支援するもので、現在8800人の高度外国人材が登録。利用企業は300社を超える。
「外国人材は大きく2つに分けられます。技能実習制度などで来日して現場のワーカーとして求められる人材と、留学生など日本が好きで来日し、高い知識やスキルを有する高度外国人材です」と松田社長。
円安の影響で来日するワーカー人材が減っているのに対し、高度外国人材の来日は増加しているが、就職は難しいのが現状だという。これには日本独特の就職・転職事情に加えて大きな理由がある。
「企業の大半が、流暢に日本語を話す優秀な人材が就職を待っている事実を知りません。このミスマッチを解消するのが私たちの役目です」
また、「東南アジア語翻訳通訳事業」は、業界最多の1058人の通訳翻訳者を擁し、タイ語、ミャンマー語、インドネシア語やベトナム語など10カ国語に対応。会議や商談などで利用する企業は7千社を超える。
「東南アジアの国々とのビジネスには人の心が欠かせません。当社は、ベテランの翻訳者、通訳者が親身になって対応するので、官公庁や企業から厚い信頼を得ています」
「東南アジア語スクール事業」は、業界最多40人の講師が4カ国語に対応し、延べ2千人を指導してきた。
コロナ禍の2020年5月には、銀座6丁目にカフェ「GOWELLTOWN銀座」をオープン。当時、日本国内で不安な生活を送っていた外国人留学生のために、有益な情報を与え、心をケアする場を設けた。
「2万人を対面で無料サポートしました。この事業が黒字化に直接寄与したわけではありませんが、30年スパンで、当社の事業をドライブさせてくれるものだったと思います」
異国で働く苦労を熟知する松田社長は、就職、結婚、子育て、葬祭などライフイベントをサポートするため、他企業との連携を推し進めている。
「新会社ゴーウェルキャリアを設立しました。日本に暮らす外国人の生活の問題を解決するため、10年後を見据え取り組んでいきます」
会社概要 設立 2007年 資本金 5,000万円 売上高 3億3,500万円(2023年9月期) 本社 東京都中央区 従業員数 71人(2024年1月現在) 事業内容 グローバル人財事業、アジア語翻訳通訳事業、アジア語スクール運営、就職カフェGOWELLTOWN運営 https://gowell-japan.com/ |