経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

事業承継に誠実に向き合い、完全成功報酬型で急成長 橋場 涼 M&Aロイヤルアドバイザリー

M&Aロイヤルアドバイザリー 社長 はしば りょう 橋場 涼

現在4期目ながらM&A業界で頭角を現し、業績を伸ばし続けているM&Aロイヤルアドバイザリー。LOYAL=忠誠を信条にし、事業承継や事業成長を目指すオーナーから選ばれる会社として注目を集めている。躍進の理由を橋場涼社長に聞いた。(雑誌『経済界』2025年5月号「注目企業」特集より)

M&Aロイヤルアドバイザリー 社長 はしば りょう 橋場 涼
M&Aロイヤルアドバイザリー 社長 はしば りょう 橋場 涼

M&Aは選択肢の一つ。オーナーに寄り添うサービスを

新卒で三菱UFJ銀行に入行後、M&Aキャピタルパートナーズに転職した橋場社長。「銀行では支店で法人営業をしており、オーナーさまから事業承継のご相談を受けることがありました。しかし私が異動になり、結局M&Aができないまま、オーナーさまがお亡くなりになったのです。自分が関われなかったことを後悔し、事業承継のスペシャリストになろうと思い、転職しました」と語る。

M&Aコンサルタントとして5年間実績を積み、最短記録で部長に抜擢。2021年に独立・起業した。

「後継者問題の解決に中小企業の統合・再編は急務で、目指したのはオーナーさまに寄り添えるプロフェッショナル集団です。M&Aのシステムを効率化し、日本が抱える課題を解決しようと決意しました」

当初は2人でスタートした会社だったが、橋場社長の思いに共感し、業界トップクラスの実績を持つコンサルタントが集まってきた。

「ゼロからの出発で苦労もありましたが、多くの仲間が応援してくれて、想像以上のスピードで業績を伸ばしていくことができました」

同社が選ばれる理由の一つがクオリティの高いサービスだ。オーナーへの忠誠、忠義を尽くすサービスの提供を大切にし、オーナーの決断に寄り添う姿勢を崩すことはない。

「オーナーさまとご家族、従業員から託されるM&Aの責任は大きい。M&A以外の選択肢もお伝えし、最適な事業承継を一緒に探していくのが私、そして弊社のスタンス。M&Aありきで進めることはありません」

オーナーにとっては親族内承継や従業員承継も重要な選択肢となる。M&Aよりも親族や従業員への承継がマッチしている場合は、そちらを提案する。これが橋場社長の教えであり、同社に浸透する文化だ。

M&Aが選択された場合も、着手金・月額報酬・中間報酬をもらわない完全成功報酬型の手数料体系を採用。オーナーはM&A成立前はいつでもやめることができるため、完全成功報酬型を嫌う仲介会社もある。それでもオーナーが納得していないなら進めるべきではないと断言する橋場社長。その姿勢にM&Aを仲介する責任感と覚悟が見て取れる。

効率的な分業体制で顧客対応に集中できる

M&Aロイヤルアドバイザリー 社長 はしば りょう 橋場 涼
M&Aロイヤルアドバイザリー 社長 はしば りょう 橋場 涼

同社のサービスは、初期段階から成約まで専任のM&Aコンサルタントが担当するものの、買手企業とのマッチング、買収監査といったフェーズごとに専門部門・専門人材がサポートするのも特徴だ。全てのフェーズを一人で担当する会社も少なくないが、分業制ならばコンサルタントが顧客対応に集中できるため、オーナーの満足度も向上する。

「従来の進め方の課題を見つけ、効率化という試みができたのは、われわれが後発企業だからこそです」

現在、M&A仲介会社は山のようにあるが、最近はM&Aによる悪質な事件の報道も多い。M&A=怪しいと不安になる人もいる中で、オーナーに真摯に向き合える、サービスのクオリティが高い会社が勝ち残っていくと橋場社長は考えている。

「業界ではマッチングにおいてAIの導入が加速していますが、当社は違います。厳しい審査基準をクリアし、信頼関係を構築した買手企業さまをご紹介しています」

既得権益の完全排除。未経験から活躍できる

採用も積極的に行い、人材育成の面では、「未経験からトップコンサルタントに」を掲げる。実績豊富な部長によるOJTで業界屈指の教育体制を整えており、この恵まれた環境で成長を期待し入社した社員も多い。

また、M&Aコンサルタントの給与はインセンティブ制だが、大型案件は上層部が担当するといった既得権益や社内政治は排除した。

「自分の部下の売り上げの合計が部長のインセンティブになるように設計しています。そのため部長は部下を優秀に育てないとインセンティブが増えないので教育も本気です。大型案件だからといって若手から奪うこともありません。頑張り次第では入社1年目から高いインセンティブを期待できます」

現在は東京と大阪にオフィスを構えているが、全国展開は急いでいないという。

「今の社員数は158人ですが、200人、300人と増えていっても、誠実さをモットーとする当社の文化を薄めずに浸透させていくことが重要です。皆が同じビジョンを持って働くために、しばらくは東京、大阪の2拠点中心で行きます」

いずれはM&A仲介以外にも業務を広げることを検討中。投資などさまざまなビジョンがあるようだ。

「M&Aコンサルタントは、税務、労務、法務、会社法なども理解する必要があり、ビジネスマンとして成長できる最高の仕事です。彼らが培ってきたことをベースにチャレンジできる環境を用意し、より大きなことを成し遂げたいですね」 

会社概要
設立 2021年11月
資本金 3,340万円
本社 東京都千代田区
従業員数 158人(2025年2月現在)
事業内容 M&A仲介事業
https://ma-la.co.jp/