経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

リモートセンシングで現場の効率化を支援するDXソリューションを提供  渡邉善太郎 スカイマティクス

スカイマティクス 渡邉善太郎

リモートセンシングとは、離れた場所からセンサーを用いて観測し対象を調べる技術。スカイマティクスは「リモートセンシングで、新しい社会を創る」を理念に掲げ、あらゆる業種の生産性向上のためのDXソリューションを提供しているリーティングカンパニーだ。(雑誌『経済界』総力特集「注目企業2024」2024年5月号より)

スカイマティクス 社長 渡邉善太郎氏

スカイマティクス 渡邉善太郎
スカイマティクス 社長 渡邉善太郎 わたなべ ぜんたろう

開発したシステムがNETIS(国土交通省の新技術情報提供システム)に登録されるなど、テクノロジースタートアップとして注目を集めるスカイマティクス。開発の背景を渡邉善太郎社長は次のように語る。

「ドローンや人工衛星、スマホ、360度カメラなど、さまざまなリモートセンシングデバイスがある中で、データこそあるが、それをいかに活用するかという点において企業や社会の課題がありました。そこで地理空間情報と時系列情報も含めた解析に当社の独自技術が生かせると判断し、『時空間解析プラットフォーム』を開発しました」

同プラットフォームを基盤としたDXソリューションのうち、建設土木などの現場管理を支援する「くみき」が大ヒット。サービス開始から2年弱で数百社のユーザーが1万件以上の現場で活用している。

「現場の生産性向上を図るには2つの観点があります。担当者の方が現地に足を運ばずして調査するためにリモセンデバイスを活用すること。そして調査後の事務作業の省力化です。現場の方の声をお聞きすると『整理と分析こそ面倒だ』と言います」

顧客ニーズに応えるべくより使いやすく、安価かつ早く奇麗に画像解析できて管理しやすいサービスに磨きをかけた。

「日本の地形データの解析・作成ソフトは海外製に依存しています。専門家向けなのでエンドユーザーからすると使い勝手が悪い。当社のサービスは全て内製化し、必要な機能だけに絞り簡単な操作にしました。なので、文系出身の事務職の方でも3次元データを作成・解析できるのです」

大手ゼネコンから街場の小さな土木事業者まで活用範囲は広がり、砕石業や造園業、太陽光事業など業種も多岐にわたる。カンボジアほか、海外からの引き合いもあるという。

「従来は測量から解析を行う場合、1件当たり数十万円の費用を要すところ、『くみき』は月額6万円から利用できます。当社が内製化にこだわったからこそできたことです」

リモートセンシング技術の活用に革命が起きている。生産性向上が求められる現場で、同社のサービスはますます浸透するだろう。 

会社概要
設立 2016年10月  
資本金 1億円  
本社 東京都中央区  
従業員数 30人  
事業内容 産業用リモートセンシングサービスの企画・開発・販売  
https://skymatix.co.jp/