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廃プラ再生で脱炭素とサーキュラーエコノミーを グローバル展開も視野に 越智 晶 リファインバースグループ

リファインバースグループ 越智 晶

サーキュラーエコノミーの実現を目指して廃プラスチックのリサイクルに取り組むリファインバース。独自技術を活用してタイルカーペットや漁網、エアバッグなどを再資源化。サスティナビリティは「コスト」ではなく「新たな富」を生み出す力であると証明する。(雑誌『経済界』総力特集「注目企業2024」2024年5月号より)

リファインバースグループ 社長 越智 晶氏

リファインバースグループ 越智 晶
リファインバースグループ 社長 越智 晶 おち あきら

リファインバースの前身は小さな産業廃棄物処理会社だった。建築系廃棄物を取り扱う中でオフィスの床材として大量に廃棄されるタイルカーペットのリサイクルに参入。投資会社の出資を受けて2003年にグループを再編し、リファインバースを立ち上げた。投資会社から移籍した越智社長は「出資者としてではなく、フルコミットで取り組むビジネスだと思いました」と話す。

建物の解体やオフィス移転で大量に廃棄されるタイルカーペットは年間約500万㎡分をリサイクル。首都圏全体の約5割に相当する。これまでタイルカーペットは埋め立て処理が大半で再資源化には構成素材ごとに分離せねばならず、分離技術を開発したことで事業化を実現した。

「われわれが開発した分離技術は分離精度が高く再生プラは高品質かつ低エネルギー・低コストです。この技術によって再生プラを競争力のある価格で提供できるだけでなく、低エネルギーのためGHG(温室効果ガス)削減効果も高い」

海洋プラごみで一番多く、生態系にも深刻な影響を与える漁網は選別・洗浄・粉砕してナイロン樹脂に。エアバッグのリサイクルは豊田通商と協業し、海外にも展開している。

「強みは廃プラの分離技術です。ペットボトルとキャップを分けて回収するように素材別に選別しないといけません。タイルカーペットも表と裏では素材が異なります」

リファインバースの高い技術力は大手化学メーカーからも高く評価されており、年内には資本業務提携を行った三菱ケミカルと共同で廃プラのケミカルリサイクル事業を始める。三菱ケミカルは廃プラを油化してナフサを回収。リファインバースは油化に適した廃材を選別・加工して原料として供給する役目を担う。

「これまでのリニア経済は大量生産による規模の経済が競争力の源泉でしたが、サーキュラーエコノミーに最適なモデルは小規模分散型。廃棄物が発生する場所で再生する『地消地産』に適した技術をベースにグローバル展開を目指します」

社会問題の解決と収益性の両立を実現しているリファインバース。サーキュラーエコノミーを牽引する存在として期待されている。

会社概要
設立 2021年7月  
資本金 1億6,038万円  
売上高 44億7,000万円(2023年6月期)  
本社 東京都千代田区  
従業員数 211人  
事業内容 プラスチック再生事業および産業廃棄物処理事業  
https://r-inverse.com/