マネジメント

昨年4月のスタートから順調な立ち上がりを見せ、女性向け動画ライフスタイルマガジンの先鞭をつけた「C CHANNEL」。同事業の拡大は、そのままソーシャルメディアにおける動画サービスの成長を表している。現在の状況と今後の展望について、森川亮・C Channel社長に語ってもらった。

専門家による良質のコンテンツを拡充

 動画ビジネスの動きは世界的にいくつかあり、一つはNetflix的な従来のビデオレンタルの置き換えのような流れ、もう一つはYouTube的な流れの無料動画配信があります。

 現在われわれが手掛けているのは、YouTube的な流れのさらに進化版です。今はアメリカを含めて、ソーシャルメディア上の動画サービスが一番伸びています。具体的にはFacebookやTwitter、Instagram、Snapchatなどとの連携を若い人が志向する動きがあります。去年ぐらいは、YouTubeでYouTuber的な流れがありましたが、Facebookなどにどんどんソースが移ってきました。その動きをわれわれはちょっと早めに日本で展開したというところです。

 アメリカは何だかんだ言っても映画が好きな国だと思いますが、アジアはモバイルが強く、スマートフォンでゆったり動画を見るという文化はあまりないと思います。そういう意味では、スマホを中心にソーシャルメディアと動画を組み合わせたものが、伸びるのではないかと思っています。

 現在、当社では月間1億7千万回の再生回数を達成し、順調に成長してきています。その要因は、一つは早いスピードで制作体制を整えたこともありますが、ユーザーがソーシャル上で動画を見ることに慣れてきたということもあると思います。

 コンテンツについては、当初はモデルなどのクリッパーと呼ばれるインフルエンサーが動画を投稿するやり方でしたが、自撮りだとクオリティーに限界があるので、昨年の年末頃から当社のスタジオで制作するものが増えています。Howto系の動画で、料理やネイル、ヘアーメーク、DIYといったものが受けています。そこで、料理では料理評論家的な方、メークではメーキャップアーティストといった専門家が活躍するようになってきています。当初のかわいい女の子が出るというよりは、専門家が活躍する場に変わってきています。

 もちろんクリッパーが投稿する動画もありますが、どうしても質が低くなってしまっていました。そうすると、ソーシャルで動画を見る文化を根付かせるにはちょっと時間がかかりそうでした。まずは良いコンテンツを出して、気軽に見られる状況を作ろうと思いました。

ネイティブ動画広告からEコマースへ展開

20160823_C-Channel_P01

(もりかわ・あきら)1967年生まれ、神奈川県出身。89年筑波大学卒業後、日本テレビ放送網入社。その後、ソニーを経て2003年にハンゲームジャパン(現LINE)入社。07年社長に就任。15年3月に退任し、同年4月にC Channelを立ち上げ、社長に就任、現在に至る。

 現在の当社のビジネスモデルは、ネイティブ動画広告という、コンテンツマーケティング的な手法で、いろんな動画がある中に広告的な動画が入っています。それを、自社のメディアとFacebookとTwitterをセットにして販売しています。具体的にはその会社の商品を使ってHowtoを紹介するもので、主に化粧品会社や食品系の会社の動画広告が多いです。例えば、メークのやり方を説明すると同時に、そこで使った化粧品も紹介します。

 こうした動画広告は今後増えていく流れにあると思います。今までブランディング広告は、テレビを中心にプッシュする広告でしたが、今はプッシュする広告は読み飛ばされてしまいます。なるべくコンテンツに近い、お客さんの目線に近いような広告が、ネイティブ広告としてこれから伸びると思います。

 若い人がテレビを見なくなってネットに移ってきていますが、バナー広告を出せばよいというものでもない。最近では、オウンドメディアという概念が出てきましたが、なかなか集客が難しく見に行かない状況にあり、ソーシャル上にネイティブ動画広告を出していくことが現在のトレンドになっています。

 さらに現在準備しているのは動画のEコマースです。特にHowtoの場合は、見ていると自分で実際にやりたくなるので、それをやるための商品を販売するものです。Howtoの動画に画面にスッとボタンが出てきて、そのボタンをタップすると買えるようなかたちです。

 実は、俳優の速水もこみちさんと一緒に料理動画をやっていますので、まずそこからから強化していこうと思っています。もこみちさんが料理グッズをプロデュースしているので、料理動画で実際に使っている道具を紹介して、そこで販売することを考えています。

 海外展開については、現在タイ向けと台湾向け、さらに英語版があります。日本ではF1層1千万人の95%までリーチしていますので、海外に広げることが重要だと思っています。タイは約1500万人、台湾も約300万人がリーチしてかなり増えています。今、準備しているのはインドネシアと韓国で、フィリピンとベトナムは交渉中です。まずはアジアでの普及を進めていきます。(談)

目指すは日本発のMTV(森川亮)

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