マネジメント

昨年4月のスタートから順調な立ち上がりを見せ、女性向け動画ライフスタイルマガジンの先鞭をつけた「C CHANNEL」。同事業の拡大は、そのままソーシャルメディアにおける動画サービスの成長を表している。現在の状況と今後の展望について、森川亮・C Channel社長に語ってもらった。

森川 亮・C Channel社長プロフィール

森川亮氏

(もりかわ・あきら)1967年生まれ、神奈川県出身。89年筑波大学卒業後、日本テレビ放送網入社。その後、ソニーを経て2003年にハンゲームジャパン(現LINE)入社。07年社長に就任。15年3月に退任し、同年4月にC Channelを立ち上げ、社長に就任、現在に至る。

 

動画サービスの潮流とC Channelの方向性は?

 

ソーシャルメディアの動画サービスが伸びる

 動画ビジネスの動きは世界的にいくつかあり、一つはNetflix的な従来のビデオレンタルの置き換えのような流れ、もう一つはYouTube的な流れの無料動画配信があります。

 現在われわれが手掛けているのは、YouTube的な流れのさらに進化版です。今はアメリカを含めて、ソーシャルメディア上の動画サービスが一番伸びています。具体的にはFacebookやTwitter、Instagram、Snapchatなどとの連携を若い人が志向する動きがあります。去年ぐらいは、YouTubeでYouTuber的な流れがありましたが、Facebookなどにどんどんソースが移ってきました。その動きをわれわれはちょっと早めに日本で展開したというところです。

 アメリカは何だかんだ言っても映画が好きな国だと思いますが、アジアはモバイルが強く、スマートフォンでゆったり動画を見るという文化はあまりないと思います。そういう意味では、スマホを中心にソーシャルメディアと動画を組み合わせたものが、伸びるのではないかと思っています。

専門家による良質のコンテンツを拡充するC Channel

 現在、当社では月間1億7千万回の再生回数を達成し、順調に成長してきています。その要因は、一つは早いスピードで制作体制を整えたこともありますが、ユーザーがソーシャル上で動画を見ることに慣れてきたということもあると思います。

 コンテンツについては、当初はモデルなどのクリッパーと呼ばれるインフルエンサーが動画を投稿するやり方でしたが、自撮りだとクオリティーに限界があるので、昨年の年末頃から当社のスタジオで制作するものが増えています。Howto系の動画で、料理やネイル、ヘアーメーク、DIYといったものが受けています。

 そこで、料理では料理評論家的な方、メークではメーキャップアーティストといった専門家が活躍するようになってきています。当初のかわいい女の子が出るというよりは、専門家が活躍する場に変わってきています。

 もちろんクリッパーが投稿する動画もありますが、どうしても質が低くなってしまっていました。そうすると、ソーシャルで動画を見る文化を根付かせるにはちょっと時間がかかりそうでした。まずは良いコンテンツを出して、気軽に見られる状況を作ろうと思いました。

 

動画コンテンツ、ソーシャルメディアは今後どうなるか

 

顧客目線に近いコンテンツに近い広告が伸びる

 現在の当社のビジネスモデルは、ネイティブ動画広告という、コンテンツマーケティング的な手法で、いろんな動画がある中に広告的な動画が入っています。

 それを、自社のメディアとFacebookとTwitterをセットにして販売しています。具体的にはその会社の商品を使ってHowtoを紹介するもので、主に化粧品会社や食品系の会社の動画広告が多いです。例えば、メークのやり方を説明すると同時に、そこで使った化粧品も紹介します。

 こうした動画広告は今後増えていく流れにあると思います。今までブランディング広告は、テレビを中心にプッシュする広告でしたが、今はプッシュする広告は読み飛ばされてしまいます。なるべくコンテンツに近い、お客さんの目線に近いような広告が、ネイティブ広告としてこれから伸びると思います。

 若い人がテレビを見なくなってネットに移ってきていますが、バナー広告を出せばよいというものでもない。最近では、オウンドメディアという概念が出てきましたが、なかなか集客が難しく見に行かない状況にあり、ソーシャル上にネイティブ動画広告を出していくことが現在のトレンドになっています。

ネイティブ動画広告からEコマースへ展開

 さらに現在準備しているのは動画のEコマースです。特にHowtoの場合は、見ていると自分で実際にやりたくなるので、それをやるための商品を販売するものです。Howtoの動画に画面にスッとボタンが出てきて、そのボタンをタップすると買えるようなかたちです。

 実は、俳優の速水もこみちさんと一緒に料理動画をやっていますので、まずそこからから強化していこうと思っています。もこみちさんが料理グッズをプロデュースしているので、料理動画で実際に使っている道具を紹介して、そこで販売することを考えています。

 海外展開については、現在タイ向けと台湾向け、さらに英語版があります。日本ではF1層1千万人の95%までリーチしていますので、海外に広げることが重要だと思っています。タイは約1500万人、台湾も約300万人がリーチしてかなり増えています。今、準備しているのはインドネシアと韓国で、フィリピンとベトナムは交渉中です。まずはアジアでの普及を進めていきます。(談)

目指すは日本発のMTV(森川亮)

 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

融資における金利固定化(金利スワップ)の方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法 ~円滑な融資のために~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メインバンクとの付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

銀行融資の裏側 ~金利引き上げの口実とその対処法~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件とダスキン事件に学ぶ 不祥事対応の原則

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

ブラック企業と労災認定

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

電話等のコミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

税務の心得 ~所得税の節税ポイント~

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

税務の心得 ~固定資産税の取り戻し方~

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

子育てで重要な「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手く育成することで企業を強くする

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

人材育成のコツ ~部下の感情とどうつきあうか~

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

人材育成 ~“将来有望”な社員の育て方~

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

売上実績トップ企業に聞く「住宅リフォームの最新トレンドと課題」―榎戸欽治・ニッカホーム会長

素人にはなかなか分かりにくい住宅リフォームの世界。最近の業界動向と事業戦略について、売り上げ規模で全国ナンバーワンを誇るニッカホーム創業者の榎戸欽治会長に聞いた。(聞き手=吉田浩)榎戸欽治氏プロフィールリフォーム業界におけるニッカホームの競争力水廻りと木工事を絡めた中型リフ…

榎戸欽治・ニッカホーム会長

家族葬のファミーユが目指す「生活者目線で故人に寄り添う」葬儀の形

不動産のノウハウや技術を生かしサステナブルインフラへ―いちご

新社長登場

一覧へ

カリスマ創業者の後任として描く「新しいマネックス証券像」― マネックス証券社長 清明祐子

2019年4月、国内インターネット専業証券で初の女性社長が誕生した。創業者であり、カリスマ社長と呼ばれた松本大前社長から後任を託されたのが清明祐子氏。清明氏は09年にマネックスグループに入社し、子会社社長やグループ役員を経て、マネックス証券の社長に就任した。清明社長はカリスマの後任としてどんな会社をつくってい…

マネックス証券社長 清明祐子

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

「事業部門の連携を活性化させ営業利益100億円を目指す」 内藤宏治(ウシオ電機社長 )

イノベーターズ

一覧へ

シリコンバレーへの挑戦が生んだ「起業家と投資家が待ち望んだサービス」― 戸村光・ハックジャパンCEO

起業家のスタンスとして、画期的な技術やビジネスモデルを社会で活かすことを目的としたイノベーション先行型もあれば、社会課題解決を最優先とし、そこに必要な技術やノウハウを当てはめていくやり方もある。ハックジャパンCEOの戸村光氏の場合は後者。対象となる課題は「身の周りの気付いたことすべて」だ。(取材・文=吉田浩)…

戸村光・ハックジャパンCEO

「測量美術」が起こす道路工事のイノベーション―草木茂雄・エムアールサポート社長

IT化で変革する産業廃棄物処理の世界―福田隆(トライシクルCEO)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年11月号
[特集] AIが知りたい!
  • ・IT未開の地に挑戦 産業構造をAIが変える!
  • ・AIは物理世界がまだ苦手 汎用ロボットの作り方
  • ・データ分析の起点は「何があれば経営に役立つか」
  • ・AI活用事例
  • ・ワトソン君は業務システムと連携する
  • ・米国で加熱する人工知能ブーム AIは21世紀最大のゲームチェンジャーか
[Special Interview]

 小川啓之(コマツ社長)

 「“経験知”に勝るものはない」コマツ新社長が語る未来

[NEWS REPORT]

◆SBIが島根銀行への出資の先に見据える「第4メガバンク構想」

◆家電同士がデータを共有 クックパッドが描くキッチンの未来

◆新薬の薬価がたった60万円! 日の丸創薬ベンチャーは意気消沈

◆1で久々の優勝を果たすもホンダの4輪部門は五里霧中

[総力特集]

 人材育成企業21

 SBIホールディングス/サイボウズ/メルカリ/ティーケーピー/シニアライフクリエイト/イセ食品/センチュリオン/タカミヤ/中央建設/アドバンテック/合格の天使/明泉学園/オカフーズ

ページ上部へ戻る