国際

毎日どこかで祝祭が

 インドでは、毎日どこかの地域で何らかの祝祭がある。祝祭のほとんどは、占星術上重要な民間行事や偉人の生誕日である。祝祭の中には季節の始まりを意味するものもあれば、行事の終わりを告げるものもある。インドでは毎日が祝祭日である。どの季節にも何らかの理由で祝祭がある。

 日本と同様、インドでは12の国民祝日の日付は特定されておらず、また、週末を長く取れるように週末に集められている。インドでは祝祭日や祝祭の時期が異なる。そして、宗教的休日の多さが経済活動を大きく阻害しているように見られる。

 古代のヒンドゥー教の占い師は、時間に関する広範な研究を行っていた。そうした素晴らしい知性の持ち主が、時間の計算に用いた天体軌道の角度の詳細は驚くべきものである。ヒンドゥー暦は、創造主たるブラフマンの時代に基づくものであり、はるか遠い昔にヒンドゥー暦は地球の時間を計算し、知っていたことを意味する。ヒンドゥー暦はヴェーダの時代に由来する。ヴェーダには暦に関する言及が数多くある。ジョーティシュ(Jyotisa)(直訳すると「天文学」)と呼ばれるヴェーダーンガ(Vedanga)がヒンドゥー暦のあらゆる面を規定している。ヴェーダの時代の後には、ジョーティシュの専門学者であるアリヤバータ(Aryabhata:西暦紀元5世紀)、ヴァラーハミヒラ(Varahamihira:6世紀)およびバースカラ(Bhaskara:12世紀)といった多くの学者がおり、ヒンドゥー暦の発展に貢献した。今日でもジョーティシュ研究は理解が困難な対象のひとつである。

 インドにおける暦の歴史は、インド文明の連続性および文化的影響の多様性のために非常に複雑な主題である。ヒンドゥー教、仏教およびジャイナ教の宗教的祝祭を設定するために、30種類を超える暦が使用されている。こうした暦は、長い歴史を持つ慣習や地方の暦作成者による天文学上の慣行によって決定付けられる各地方特有の特性があるものの、共通の原理に基づいている。インドの暦体系の複雑性は、暦の数が多過ぎるためだけではなく、各暦の互いの関連の仕方にある。ほとんどのインドの暦が関連する主な点は、各月の名称にある。星にちなんだ各月の名称が共通している。加えて、インドにおけるイスラム教徒はイスラム暦を使用し、インド政府は行政上の目的でグレゴリオ暦を使用する。

仕事が休みとなる祝日はいつか

 1950年代半ばには、改暦委員会が組織されて、インドの国の暦は、うるう年がグレゴリオ暦と合致する正式な太陰太陽暦となった。これにより、国民の祝日と宗教的祝日とは分離され、独自の意義を持って、該当するそれぞれの州で祝されている。

 インドでは、8月15日の独立記念日、1月26日の共和国記念日、10月2日のマハトマ・ガンディー生誕日、の3つの国民祝日があり、これら3つの祝日には学校、大学、銀行、公的部門のオフィス、民間企業の多くが機能せず、文字通り、就業日または営業日であるとは考えられていない。インドの中央および地方政府は、各年にそれぞれの官庁で執行される祝日の一覧表を毎年発行している。ほとんどの場合、各州に関する祝日については互いに関連している。

 この3つの国の祝日とは別に、インドでは州および地域において、現地で普及している宗教や言語の人口動態によって地方の祝祭がある。ヒンドゥー教徒は1年中数多くの祝祭を祝う。ヒンドゥー教とその文化は、信奉者にお祝いの理由を際限なく提供する。各州にはさまざまな祝祭があるが、月ごとの各州の祝祭と祝日を理解する手助けとなるであろう。日付は月の計算によって毎年変わるため記載されていない。

 現在では、公式の用途にはグレゴリオ暦が、宗教的目的には伝統的暦がそれぞれ用いられている。わずかな例外を除き、すべての祝祭がインド全土で祝われている訳ではない。また、中央政府の祝日となるのは、ごく限られた祝祭のみである。

 産業界、商業界および通商業界の支配階級を含む中央政府組織では、義務である3つの国の祝日(共和国記念日、独立記念日、マハトマ・ガンディー生誕日)を入れて16の祝日がある。残りの祝日や行事は、当該の支配階級や組織自らによって決定することができ、ほとんどの場合、1月、8月および10月に当たる。

 日本人には、仕事が休みとなる祝日はどれなのか分かり難いかもしれない。しかし、2つに分けて考えると理解しやすい。インド全土で祝う祝日は仕事も休みとなる。州ごとの祝祭の場合は、その州だけの祝日である。

関連記事

好評連載

グローバルニュースの深層

一覧へ

習近平政権下の中国経済と新時代の到来

[連載] グローバルニュースの深層

グローバルニュースの深層

[連載] グローバルニュースの深層

原油事情に関するロシアの分析

[連載] グローバルニュースの深層

プーチン露大統領の内外記者会見

[連載] グローバルニュースの深層

中間選挙後の米国を展望する

[連載] グローバルニュースの深層

中国を制するものは世界を制す

変貌するアジア

一覧へ

鴻海によるシャープ買収のもう1つの狙い

[連載]変貌するアジア(第37回)

[連載]変貌するアジア(第36回)

SDRの一翼を担う人民元への不安

[連載]変貌するアジア(第33回)

開催意義不明の日中韓首脳会議

[連載]変貌するアジア(第32回)

朱立倫の総統選出馬と台湾海峡危機

津山恵子のニューヨークレポート

一覧へ

CESの姿が変わる花形家電よりもネットワークに

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第20回)

津山恵子のニューヨークレポート

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第19回)

米・キューバ国交回復のインパクト

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第18回)

クリスマス商戦に異変! 店舗買いが消え行く

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第17回)

格差問題が深刻化する米国―教育の機会格差解消にNY市が動き出す

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第16回)

米中間選挙で共和党が圧勝 16年大統領選はどうなる!?

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

刺激を浴びて徹底的に考え抜くことで自らを変革する―― 鎌田英治 グロービス 知命社中代表

「創造と変革」を掲げリーダー教育事業を展開しているグロービス。未来が予見しづらい混迷の時代を迎え、まさに新たな時代を切り拓いていくリーダーが求められている。そのような状況を受けて、グロービスは昨年、新たに執行役員以上に限定したエグゼクティブ向けのプログラム「知命社中」を開設した。[PR]次世代を担う経営リーダ…

ワンストップで手厚くサイトの売却をサポートするサイトマ――中島優太(エベレディア社長)

「支持政党なし」をつくった男のユニークな発想とビジネス――佐野秀光(情報通信ネットワークグループ社長)

新社長登場

一覧へ

「技術立脚の理念の下、付加価値の高い香料を開発します」――高砂香料工業社長 桝村聡

創業から95年、海外に進出してから50年以上たつ国際派企業の高砂香料工業。合成香料では日本最大手であり、国際的にも6%以上のシェアを持つ優良企業だ。100年弱の歴史を持つ高砂香料工業── まず御社の特徴をお聞かせください。桝村 1920年創業ですから、2020年に100周年を迎える香料の専門メーカーです。基本…

桝村 聡

「ネット広告が変わってもクライアント本位の姿勢は変わりません」--バリューコマース社長 香川仁

「最新情報を発信、人と企業の働く環境を良くしていきます」--マンパワーグループ社長 池田匡弥

イノベーターズ

一覧へ

老舗コニャックメゾンがブランド強化で日本市場を深耕――Remy Cointreau Japan代表取締役 宮﨑俊治

フランスの大手高級酒グループ、レミー・コアントロー社の日本法人。18世紀から愛飲されてきた名門コニャックの「レミーマルタン」や世界有数のリキュール「コアントロー」をはじめ、スピリッツやウイスキーなど戦略的なラインアップを日本市場で展開している。同社の宮﨑俊治代表取締役に事業展開について聞いた。 &nbs…

リグナ社長 小澤良介 家具のEC販売から様々な展開へ

内装空間の総合プロデュースで想いをカタチに創り上げる――ユニオンテック社長 大川祐介

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 教育部門と…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2018年9月号
[特集]
この夏飲みたい日本の酒

  • ・総論 量から質へ“こだわり”が求められる時代へ
  • ・埼玉・秩父から世界一へ イチローズモルトの奇跡
  • ・家庭でも酒場でもレモンサワーが飲まれる理由
  • ・幕末からよみがえった都心の酒蔵 東京港酒造
  • ・本間哲朗(アプライアンス社社長)
  • ・伊豆で愉しむ野趣なワインと夏の富士
  • ・トップが薦めるこの夏のビール

[Special Interview]

 宮内義彦(オリックス シニア・チェアマン)

 「トップの器以上に会社は大きくならない」

[NEWS REPORT]

◆ヨーロッパに続け! 動き始めた日本の再エネ事業

◆東芝のPC事業を買収し8年ぶりに参入するシャープの勝算

◆日産―ルノー経営統合問題に苦慮するカルロス・ゴーン

◆大阪がエンタメで仕掛けるインバウンドと夜の経済

働きがいのある会社を総力取材

 人材育成企業20

 企業の成長戦略をクローズアップ

ページ上部へ戻る