文化・ライフ

「仕事ではファッションが大事」と言えば、大事なのは中身だと反論されるかもしれない。だが、「仕事では印象(インプレッション)が大事」と言い換えれば、おそらく異論は少ないだろう。「ファッションとは、その人の内面、在り方を表すもの」と考えれば、そのプライオリティは高まるはずだ。本シリーズでは、20年間で2万人以上のファッションをコーディネートしてきた、ファッションスタイリストジャパン(FSJ)の西岡慎也氏が、ファッションとの向き合い方、具体的なテクニックなどを、ビジネスパーソンに向けて伝授する。

「白シャツにデニム」は最強のファッション 

 スタイリストとしての経験上言えるのは、結局のところ女性から最も喜ばれる男性のファッションは白シャツにデニムパンツだということです。例外はありますが、男性が着飾れば着飾るほど、またはブランドものを入れれば入れるほど、女性からは嫌がられる傾向にあります。

 ただ、それには条件があって、白シャツとデニムの単純な組み合わせでも、似合う人と似合わない人がいます。

 似合うのはやはり、健康的で人生を楽しんでいるイメージの人。イケメンがどうか、というのは実はあまり関係ありません。

 では、白シャツとデニムが似合えばそれだけで良いのか、と言えばこれも少し違います。そこから枠を外してジャケパンスタイルを楽しむ、白シャツも自分に似合うものを考えて選ぶ、といった作業を加えることで、単調に陥るのを防ぐことができるのです。

 ナチュラルな着こなしが軸にありながら、エレガントやクラシックの要素も取り入れることができれば、結果的に普段のナチュラルが際立つのです。いわゆるギャップ理論ですね。

 結局は、その人の在り方、バランスがとても重要だということです。

色使いでファッションのレベルを上げる

 バランスの取れた着こなしという点で言うと、服の色使いは非常に大事です。どんな色の組み合わせが良いのか、服を選ぶたびに悩む方も多いことでしょう。

 そんな時は、色が相手に与えるインパクトを考えてみてください。一番イメージしやすいのは、「ゴレンジャー」に代表される戦隊ヒーローです。

 各キャラクターのイメージカラーを考えると、赤は「リーダーシップ」、青は「冷静さ」、黄色は「爽やかさ」「笑顔」、ピンクは「優しさ」「女性らしさ」といった具合に、それぞれの色が持つイメージがあるはずです。これを、自身のファッションにも応用するのです。

 たとえば、ビジネスパーソンの方なら、「誠実さ」の要素は必ず入れたいところだと思いますので、グレーやネイビーを軸にしておけば大丈夫です。

 そこに「爽やかさを少しだけ入れたい」という場合はパンツを黄色にしたり、もう少し抑え気味にしたいという場合はチーフなどの小物に黄色を取り入れたりすればよいでしょう。間違ってもジャケットを黄色にしてはいけません。それではお笑い芸人のようになってしまいます。情熱の要素を出したければ、赤を少しだけ取り入れます。

 誠実感や安心感を出したいときに、絶対にやめたほうが良い組み合わせは、赤と黄色、赤とピンクなどです。これらの組み合わせは、芸能人などがドラマティックな雰囲気を出そうとする場合に限られます。上着に黄色、赤、グリーン、ピンクなどの色を持ってくるのは、相当なお洒落の上級者以外、まず似合いません。

 誰かと会うときに、相手の好みの色を取り入れたいというケースもあるでしょう。そんな時は、果たしてその相手がどんな人となら並んで歩きたいかを考えてみてください。

 たとえば、ナチュラル感のある相手に対して赤が目立つ服装では厳しいですが、ネイビーかグレーなら大丈夫でしょう。逆に華やかな相手に対してそれでは地味すぎるので、赤を少しだけ入れるといった工夫が必要です。いずれにせよ、相手軸と自分軸のバランスをしっかり決めておけば、悩むこともなくなるでしょう。

 色を自在に操れるようになると、お洒落のレベルがワンランク上がるのです。

西岡慎也のワンポイントアドバイス

西岡慎也白というのは実は非常に目立つ色です。白いジャケット、白いパンツ、白い靴と全身固めてしまえば、これはもう「究極の自由」を感じさせます。あくまで極端な例ですが、本気で自由な空気を演出したければ、全身白で固めてしまうのもアリでしょう。赤のパンツもいざ履くと、自分が思う以上に周囲からは「勇気があるな」と思われるので、そこはしっかり認識しておきましょう。

(にしおか・しんや)1979年生まれ。茨城県土浦市出身。21歳で米輸入会社ワイルドウエストジャパンに就職し、約4千人のファンを獲得。2001年、セレクトショップ「WITH PREASURE」を独立開業。従来のアパレルの販売方法ではなく、コンサルティングを中心としたコーディネートの手法を確立する。10年にファッションスタイリストジャパンを設立し、多くの著名人、エグゼクティブの顧客を獲得し、現在に至る。

 

 

関連記事

好評連載

二宮清純のスポーツインサイドアウト

一覧へ

米山公啓の現代医療の真相

一覧へ

見落としやすい薬の副作用

[連載] 現代医療の真相(第19回)

現代医療の真相

[連載] 現代医療の真相(第18回)

肺炎球菌ワクチンから見えるワクチン後進国日本

[連載] 現代医療の真相(第17回)

認知症・徘徊老人を受け入れる街づくり

[連載] 現代医療の真相(第16回)

サプリメント・ブームにもの申す

[連載] 現代医療の真相(第15回)

インフルエンザ予防接種は受けるべきか

吉田たかよしのビジネス脳の作り方

一覧へ

ネット検索の集中力は「独り言」で高まる!

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第20回)

ビジネス脳の作り方

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第18回)

人材育成のコツ ~部下の才能を褒めるとダメ人材に育つ~

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第17回)

株取引の損得は男性ホルモン量で決まる?

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第16回)

アルツハイマー病は脳の糖尿病!?

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

売上実績トップ企業に聞く「住宅リフォームの最新トレンドと課題」―榎戸欽治・ニッカホーム会長

素人にはなかなか分かりにくい住宅リフォームの世界。最近の業界動向と事業戦略について、売り上げ規模で全国ナンバーワンを誇るニッカホーム創業者の榎戸欽治会長に聞いた。(聞き手=吉田浩)榎戸欽治氏プロフィールリフォーム業界におけるニッカホームの競争力水廻りと木工事を絡めた中型リフ…

榎戸欽治・ニッカホーム会長

家族葬のファミーユが目指す「生活者目線で故人に寄り添う」葬儀の形

不動産のノウハウや技術を生かしサステナブルインフラへ―いちご

新社長登場

一覧へ

カリスマ創業者の後任として描く「新しいマネックス証券像」― マネックス証券社長 清明祐子

2019年4月、国内インターネット専業証券で初の女性社長が誕生した。創業者であり、カリスマ社長と呼ばれた松本大前社長から後任を託されたのが清明祐子氏。清明氏は09年にマネックスグループに入社し、子会社社長やグループ役員を経て、マネックス証券の社長に就任した。清明社長はカリスマの後任としてどんな会社をつくってい…

マネックス証券社長 清明祐子

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

「事業部門の連携を活性化させ営業利益100億円を目指す」 内藤宏治(ウシオ電機社長 )

イノベーターズ

一覧へ

シリコンバレーへの挑戦が生んだ「起業家と投資家が待ち望んだサービス」― 戸村光・ハックジャパンCEO

起業家のスタンスとして、画期的な技術やビジネスモデルを社会で活かすことを目的としたイノベーション先行型もあれば、社会課題解決を最優先とし、そこに必要な技術やノウハウを当てはめていくやり方もある。ハックジャパンCEOの戸村光氏の場合は後者。対象となる課題は「身の周りの気付いたことすべて」だ。(取材・文=吉田浩)…

戸村光・ハックジャパンCEO

「測量美術」が起こす道路工事のイノベーション―草木茂雄・エムアールサポート社長

IT化で変革する産業廃棄物処理の世界―福田隆(トライシクルCEO)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年11月号
[特集] AIが知りたい!
  • ・IT未開の地に挑戦 産業構造をAIが変える!
  • ・AIは物理世界がまだ苦手 汎用ロボットの作り方
  • ・データ分析の起点は「何があれば経営に役立つか」
  • ・AI活用事例
  • ・ワトソン君は業務システムと連携する
  • ・米国で加熱する人工知能ブーム AIは21世紀最大のゲームチェンジャーか
[Special Interview]

 小川啓之(コマツ社長)

 「“経験知”に勝るものはない」コマツ新社長が語る未来

[NEWS REPORT]

◆SBIが島根銀行への出資の先に見据える「第4メガバンク構想」

◆家電同士がデータを共有 クックパッドが描くキッチンの未来

◆新薬の薬価がたった60万円! 日の丸創薬ベンチャーは意気消沈

◆1で久々の優勝を果たすもホンダの4輪部門は五里霧中

[総力特集]

 人材育成企業21

 SBIホールディングス/サイボウズ/メルカリ/ティーケーピー/シニアライフクリエイト/イセ食品/センチュリオン/タカミヤ/中央建設/アドバンテック/合格の天使/明泉学園/オカフーズ

ページ上部へ戻る