文化・ライフ

「仕事ではファッションが大事」と言えば、大事なのは中身だと反論されるかもしれない。だが、「仕事では印象(インプレッション)が大事」と言い換えれば、おそらく異論は少ないだろう。「ファッションとは、その人の内面、在り方を表すもの」と考えれば、そのプライオリティは高まるはずだ。本シリーズでは、20年間で2万人以上のファッションをコーディネートしてきた、ファッションスタイリストジャパン(FSJ)の西岡慎也氏が、ファッションとの向き合い方、具体的なテクニックなどを、ビジネスパーソンに向けて伝授する。

ビジネスシーンにおける印象操作 1.遊び心はパンツで表現

 冠婚葬祭の服装は決まりごとが多いため、あまり自分で考える必要はなさそうですが、例えば結婚式の二次会などでは何を着ればよいか、悩む方も多いようです。

 主役はあくまで新郎新婦ですから、あまり目立ちすぎてもいけません。とはいえ、自分も楽しみたいという場合もあることでしょう。

 そんなときはジャケットではなく、パンツや靴に遊び心を取り入れましょう。例えばネイビーやグレーのジャケットにカラーの入ったパンツや靴を合わせると良いと思います。気を付けたいのは、カラーを入れるのはパンツか靴のどちらか、ということ。両方派手にすると、やり過ぎ感が出てしまいます。

 ジャケットに目立つカラーを極力入れないほうが良いのは、自分が目立ちたいというエネルギーを周囲に感じさせてしまうからです。あまり派手なチーフを入れるのもお勧めできません。一般的に、目立ちたがりな男性は、女性からのウケもよくありません。

 結婚式の二次会での服装における注意点は、婚活にも共通する部分があります。

 結婚相談所の方に話を聞くと、女性はまず書類を見て学歴や年収でその男性に会うかどうかを判断します。ただ、いざ会ったときには、ほとんどの女性が男性を外見で判断するということです。そんな時、好感を持たれるファッションとはどのようなものでしょうか。

 たとえば、最近流行りの婚活パーティで男性がやりがちなのが、無難にスーツで参加することですが、これはあまりお勧めできません。

 女性にしてみれば、男性がスーツを着ている時以外のファッションが、とてつもなくダサいことが怖いのです。だからといってラフすぎる格好で参加するわけにはいきませんので、ジャケパンスタイルが最も適していると思います。

 ただし、ビジネスシーンで王道のネイビーのジャケットにグレーのパンツといった組み合わせでは固すぎる印象を与えてしまうこともあるので、ここでもパンツにひと工夫入れます。ネイビーやグレーのジャケットに白のパンツやデニムなどを合わせれば、丁度良い感じになるはずです。デニムを合わせるときは、リジットと呼ばれる濃紺のものがお勧めです。

ビジネスシーンにおける印象操作 2.下から見直せばよい

 ある程度の自己投資を惜しまず成長志向がある女性は、パートナーの男性にあまりブランドものばかり着てほしくないと考える傾向があります。それでも、何らかのアイコンは欲しいと思っているものです。普段の食事は吉野家の牛丼でも、たまには高級フレンチにも連れて行ってほしいといった願望を満たしてくれる男性かどうかを、まずは外見で判断するのです。

 男性にとっても、パンツに遊び心を取り入れることを覚えると、ファッションが一層楽しくなります。ジャケットを買いたくなる気持ちをグッと抑えて、下の方から服装を見直すことに挑戦してみてはいかがでしょうか。

西岡慎也のワンポイントアドバイス

西岡慎也夏場になると短パンを履くこともあるかと思いますが、短パンにジャケットを合わせると、一般的には七五三の服を連想させてしまいます。ひざ上でなく、八分丈のクロップドパンツでくるぶしだけ見えるようなスタイルであれば、格好良く見せることができます。

 (にしおか・しんや)1979年生まれ。茨城県土浦市出身。21歳で米輸入会社ワイルドウエストジャパンに就職し、約4千人のファンを獲得。2001年、セレクトショップ「WITH PREASURE」を独立開業。従来のアパレルの販売方法ではなく、コンサルティングを中心としたコーディネートの手法を確立する。10年にファッションスタイリストジャパンを設立し、多くの著名人、エグゼクティブの顧客を獲得し、現在に至る。
 

 

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