文化・ライフ

「仕事ではファッションが大事」と言えば、大事なのは中身だと反論されるかもしれない。だが、「仕事では印象(インプレッション)が大事」と言い換えれば、おそらく異論は少ないだろう。「ファッションとは、その人の内面、在り方を表すもの」と考えれば、そのプライオリティは高まるはずだ。ファッションスタイリストジャパン(FSJ)でスタイリストを務める吉川浩太郎氏が、ファッションとの向き合い方、具体的なテクニックなどを、ビジネスパーソンに向けて伝授する。

ビジネスシーンにおける印象操作 1.無駄な買い物を続けないために

 私どものコンサルティングを受けていただくお客様には、ご自宅のワードローブ(衣装タンス)の見直しをお願いしています。最適なコーディネートを設計・構築するにあたって、まずは現状の確認が重要だからです。

 お客様には基本的に、春夏物と秋冬物を1回ずつ、半年ごとにクローゼットの中身を全て箱詰めして送っていただきます。送っていただいた服は、ご本人立ち会いのもとでチェックして、残す服と処分する服を決めていきます。

 人によってはほとんど着られる服がなくなってしまう場合もありますが、その後のことを考えると無駄な服を買わなくて済むようになります。買い物に失敗しても理由を確認しないまま次の買い物をしてしまうと、着られない服がどんどん溜まっていく、という状態になりがちです。これでは、服選びに成功するか失敗するかは運任せになってしまいます。

 優秀なビジネスパーソンの皆様であれば、仕事においては準備、設計、見直しの作業を行って、効率化を図っていることと思います。ところがファッションに関しては、なぜかこれらがなおざりにされがちです。無駄な買い物をし続けるのを避けるためにも、ぜひワードローブの見直しを行ってみてください。

 処分する服の基準は、清潔感のないもの、デザイン的に古くなってしまったもの、サイズが合っていないもの、などです。また、たとえ着ることができても、格好良く見えないものは外していきます。われわれが手掛ける場合、さすがに下着までは対象にしませんが、Tシャツレベルまでなら、残すか処分するかを決めていきます。

 逆にもう絶対に着られないと思われる服でも、特別な思い入れのあるものなどはお客様とご相談の上で残すこともあります。また、高価な服で、手直しをすれば着用に値すると判断すれば残します。

ビジネスシーンにおける印象操作 2.自分の傾向とクセを掴む

 断捨離をテーマにした本などには、1年以上着ない服は捨てるといったことが書かれていますが、ご本人が着なくなっても、私どもが見て残したほうが良いと思われる服が出てくることもあります。しばらく着ない服は、なぜそうなったのかを分析する必要があるでしょう。そこから、ご自身の傾向やクセというものが見えてきます。

 たとえば、Tシャツはたくさん持っているけどズボンが少ない、アウターは多いけどそれらに合うインナーがない、といった自分のクセが掴めると、次に何を買えばいいかが分かるようになります。プロに見直しを頼むのが難しい場合も、ご自身で各アイテムのバランスを意識しながらやってみてください。

 そうは言っても、どのアイテムを何着ぐらい持っていれば良いかが分からないという方もいらっしゃることでしょう。これについては次回お話いたします。

吉川浩太郎のワンポイントアドバイス

吉川さん写真われわれプロでも、服の好みに関するクセはあります。私の場合はちょっと個性的な服が好きなので、王道のベーシックなものが不足する傾向があります。私自身も半年に一度は服の状態確認を兼ねてワードローブの見直しを行って、全体のバランスを保つことを心掛けています。

(よしかわ・こうたろう)1981年5月19日生まれ。東京都日野市出身。紳士服専門上場企業で人事採用や接客業務を経た後、イメージコンサルタントとしてのキャリアを基に依頼者独自の良さを引き出すコーディネート事業を展開。プライベートカジュアルからスーツスタイルまで幅広い知識・提案に定評がある。化粧品会社、大手建機会社、生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会(公益社団法人JAIFA)等で30~100名規模のファッション研修に携わっている。

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