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新経済再生担当相は滑り出し順調の一方閣僚の失言が相次ぐ――内閣府

霞が関 番記者レポート

 1月下旬、甘利明経済再生担当相に建設会社から不正な金銭を受け取ったとの疑惑が持ち上がり、辞任に追い込まれた。後任に就いたのは石原伸晃氏。野党時代の自民党で幹事長を務め、閣僚としては国土交通相や環境相を務めるなど、経歴としては申し分ない“大物”だ。

 ただ、これまでにたくさんの失言を繰り返してきた過去があり、霞が関では「きちんと経済運営の司令塔の役目を果たせるのか」と心配する声が上がっている。

 例えば環境相時代の2014年には、東京電力福島第1原子力発電所事故の除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐる福島県側との交渉について、「最後は金目でしょ」と発言し、強い批判を浴びた。

 本来なら「予算措置」というべきところかもしれないが、「金目」という生々しい表現が、被災者の感情をさかなでした。幹事長在任中の12年には、福島第1原発を、まるでオウム真理教の施設と重ね合わせるように「福島第1サティアン」と述べ、やはり被災者の強い怒りを買っている。

 こうした例があるため、石原氏は、今回、経済再生担当相に就任した直後も、国会で野党からその資質を追究される場面があった。これまでのところ記者会見などでは無難な受け答えを続け、失言・暴言は出さずにすんでいる。

 ここにきて安倍晋三政権の閣僚たちからは「失言」が相次いでいる。

 丸川珠代環境相は、福島第1原発事故後に国が除染の長期目標を「1ミリシーベルト以下」と定めたことを「何の根拠もない」と発言したと報じられ、国会で謝罪に追い込まれた。島尻安伊子沖縄・北方担当相は会見で北方4島の1つ「歯舞」が読めず、強い批判にさらされた。

 15年10〜12月期の実質国内総生産(GDP)が2四半期ぶりのマイナス成長に沈むなど、日本経済は現在、強力なテコ入れが求められている。

 こんな大切な時期に閣僚の失言で政権運営の足並みが乱れれば、政権が描く景気回復や経済成長のシナリオは狂いかねない。

 
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