経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

クラウドファンディングで実現した「大切なヒトやモノの居場所がわかる」―― 追跡装置biblle(ビブル)

プロマーケッター 山本康博氏

お守りグッズ1

大切なヒトやモノにbiblleを

 「スマホをどこにおいたかわからない」「家の鍵をどこかに落としてしまった」等に困った経験はありませんか?

 今回は、使い方を間違えると厄介になりますが、キチンと使えば素晴らしい追跡装置「biblle(ビブル)」を分析してみます。簡単に言うと、小さな通信タグとスマホが連動して、双方向でつながるというものです。タグをキーホルダーなどに付けておけば、無くしてしまってもスマホでタグの音を鳴らすとか距離検索をすると、簡単に見つかります。

 最近、アニメ映画「この世界の片隅に」が、一般から3千万円集めて作ってヒットした話題の開発資金援助サイト、クラウドファンディング「マクアケ」で開発した商品となります。

 「大切なヒトやモノの居場所がわかる。biblleが作る見守りネットワーク」というコンセプトで、社員5名のGeorge&Shaun合同会社が資金援助を公開したプロジェクトです。

 この製品の特筆すべきことは、近年は海外生産が多い中、アプリを自社開発、デバイス本体も国内工場生産という、品質にこだわった純日本製の製品だということです。商品を小さくする技術が得意な日本ならではの商品とも言えます。

 支援期間は2016年10月~11月29日まででした。筆者も出資して、実際に入手して使ってみました。

biblleの機能と特徴

 このプロジェクトbiblleは、スマホの無料専用アプリと、ビブルタグを組み合わせて利用するものです。 

 biblleアプリとbiblleタグが通信することで、一定距離離れてしまった場合にbiblleアプリに通知したり、最後に離れてしまった場所を記憶しておいたりできる優れものです。

 このbiblleは“モノ”を探すだけではありません。例えばまだ小さい子供や高齢者の方に持たせることで、迷子防止にもつながります。つまり「大切なヒト」をも見守ることができるのです。

具体的な使い方➀スマホに連絡を飛ばす

 biblleについているボタンを押すと、biblleからスマホに連絡を飛ばすことができます。

 子供に持たせておけば、“お父さん、お母さんとはぐれてしまった!”という時にボタンでスマホに連絡が来て、気付くことができるのです!(約50~70m)。ボタンを押すだけなら簡単にできるので、まだ幼くて携帯を持てない子供に持たせておけば安全です。

 それ以外にも、例えばbiblleをカギにつけておけば、「カギはあるけど携帯がない!」といった時もbiblle のボタンを押すことで、マナーモードになっていてもしっかり音を鳴らしてスマホの場所を知らせてくれます。「いつもサイレントモードにしていて、スマホに電話をかけても音が鳴らないから見つけられない」という経験がある方にはお勧めです。

②30m離れた時に自動で連絡が来る。

 biblleには30m程度離れた時にお知らせしてくれる機能が付いています。子供が持っていれば、ボタンを押さなくても迷子の連絡がスマホに届きます。もし、その通知にすぐに気づかなかったとしても、最後にはぐれてしまった位置情報が残っているので、位置を確認して捜索も可能です。

 スマホからbiblleを鳴らせば、近くにある時には搭載してあるブザーが鳴り、場所を知らせてくれます。本体も赤くLEDが光るので見つけやすいです。

③見守りネットワーク

 biblleは身内だけでなく地域でのネットワークを作ることもできます。

 スマホの専用アプリを持つ他の利用者とすれ違うことで、位置情報を更新できるのです。友達や、地域の人たちと一緒にbiblleを持つことで、地域に“見守りネットワーク”を作ることができます。

 「ふと目を離した拍子に通信のとどかない遠くまで行ってしまった」、あるいは、高齢者の方のように「いつの間にか遠くまで行ってしまっていた」、そんな時にも、見守りネットワークを使うことで、最新の位置情報を拾うことができます。

 万が一、大切なものが盗難にあってしまった場合でも、見守りネットワークがあれば、追跡することができるのです。さらにこの見守りネットワーク、タグを持っている人とすれ違う一瞬だけ立ち上がるので、普段からアプリを立ち上げておく必要性もバックグラウンドで起動させておく必要性もありません。電池も半年で交換可能となっていて電池減りにもしっかりとした気遣いが見られます。

biblle開発者の素晴らしい心遣い

お守りグッズ2 このプロジェクトは些細なところまで心遣いが行き届いているのが分ります。機械の操作が覚束ない高齢者や幼い子供はボタンを押すだけで自分の位置を知らせることができますし、もし使用者がスマホの方を見失った可能性もしっかりと考えられています。

 見守りネットワークに関しては、こちらからは何もしないので、普段通りの生活をするだけで、biblleがフォローして見守ってくれるような感覚です。

 このプロジェクトが広がれば、開発者が目指している“少しだけ優しい社会”も達成できるかもしれません。

※本連載の記事一覧はこちらから

++++++++++++

山本康博(やまもと・やすひろ):ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役、ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、JT、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本製作。1年以上継続した商品を計算すると打率3割3分、マーケティング実績30年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、英語著書『Stick Out~a ninja marketer~』(BVC)など。

 
経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan
 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界ウェブトップへ戻る