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ビットコイン用語の基礎知識 ビットコインを知る20のキーワード

ビットコインの基礎知識―20の用語

【ICO】アイシーオー

 イニシャル・コイン・オファリングの略。企業が独自に通貨を発行し資金調達する仕組み。1千種類を超える仮想通貨の中にはICOとして発行されたものも多い。中国で活発に利用されていたが、中国政府は9月に全面的に発行を禁止した。この余波でビットコインの価格は大幅下落した。

【アドレス】

 銀行の口座番号にあたる。相手のアドレスさえ分かれば、送金することができる。

【R3】アールスリー

 アメリカのフィンテック企業。ブロックチェーン技術に強みを持っており、ブロックチェーンの技術検証や国際標準化作業を行う国際団体「Distributed Ledger Group」を主宰する。この団体には世界の多くの銀行が参加しており、日本のメガバンク3行も加わっている。

【アルトコイン】

 ビットコイン以外の仮想通貨を差す。ほとんどの場合ブロックチェーン技術をもとにしている。マイニングが必要かどうかは通貨によって異なる。

【ウォレット】

 その名の通りビットコインの財布。デスクトップウォレット、ウェブウォレット、モバイルウォレット、ペーパーウォレット、ハードウエアウォレット(専用財布端末)などがあるが、金額が大きい場合、ペーパーウォレットやハードウエアウォレットでオフラインにしておけば、ハッキングなどによる万が一の被害を防ぐことができる。

【MUFGコイン】

 三菱UFJフィナンシャルグループが開発を進めている仮想通貨で来春の実用化を目指している。他のメガバンクが参加する可能性もある。

【サトシ】

 ビットコインの最小単位。0.00000001BTC=1サトシとなる。名前はブロックチェーンの生みの親、サトシ・ナカモトに由来する。

【サトシ・ナカモト】

 ビットコインの生みの親。2008年にサトシ・ナカモト名義で発表した論文からビットコインは始まった。日本人の名前のように見えるが国籍も含めすべてが不明。

【上限】

 ビットコインの発行量の上限は2100万BTCと定められている。これまでにマイニングで1600万BTCが発掘されており、残りは約500万BTC。すぐになくなりそうに思えるが、半減期があって発掘量は徐々に減っていくため、2140年頃までは枯渇しない。

【承認】

 取引が新たなブロックに含まれたことを差す。ビットコインの承認作業は10分に1度行われるが、手数料が安い場合、なかなか承認されないことがある。

【税制】

 ビットコインを購入後、値上がりしたところで売却すれば、その差額には税金が発生する。その扱いがどうなるか注目されていたが、雑所得扱いとなった。株などのキャピタルゲインには22.1%の所得税、地方税しかかからないが、雑所得の場合、最高55%の税金がかかる。

【手数料】

 ビットコインは管理コストが従来の金融システムに比べて100分の1とも1千分の1とも言われ、国際送金などの手数料が安くなると言われていた。実際1年前までは10円程度で海外に送金できていた。ところが使用頻度が高まるにつれ認証作業が滞るようになり、早く認証してもらうには高い使用料を払わなければならなくなっている。

【半減期】

 マイニングの報奨金は現在12.5BTCだったが、5年前までは50BTCだった。減ったのは、21万ブロックごとに半減することが定められているためで、12年と16年に半減期を迎えている。次の半減期は20年頃と予測されている。

【ビットコインキャッシュ】

 8月にビットコインが分裂して誕生した新しい仮想通貨。技術者とマイナーの間の対立が新通貨誕生につながった。ビットコインはさらに分裂するとの観測も出ている。

【ビットコイン取引所】

 ビットコインの売買はビットコイン取引所に口座(アカウント)をつくることから始まる。一時乱立していたが、登録制度が導入され、現在登録取引所は11カ所。取引所によって、手数料や利用できる店舗が異なる。

【秘密鍵】

 ビットコインのアカウントをつくる時に登録するパスワード。キャッシュカードの暗証番号と一緒で、他人に知られてはまずい。

【ブロックチェーン】

 仮想通貨ビットコインの中核技術。2008年にサトシ・ナカモトという名を持つ人物がインターネット上で発表した1本の論文の中に、ブロックチェーン技術が書かれていた。

 金融だけでなく、不動産や知的財産など、台帳を伴うすべての取引に応用できる。

【マイニング】

 採掘と訳される。ビットコインにおいて、取引記録は改竄を防ぐために鍵を掛けられる。その鍵を誰よりも早く掛けた人に対しては成功報酬が送られる。その鍵を掛ける行為を指す。

【マウントゴックス】

 かつて日本にあったビットコイン交換所。一時は世界最大の取引量を誇った。2013年にハッキングによる不正取引があったとして取引を停止、翌年全面停止に追い込まれる。その後破産した。

 15年には代表者が不正操作や業務上横領などの疑いで逮捕され、裁判中。日本のフィンテックが世界から遅れた要因のひとつとされる。ただしビットコインのシステムの安全性はいっさい問われなかった。

【レバレッジ】

 ビットコイン取引所では、入金した金額以上の取引ができる。レバレッジ幅は取引所により異なるが、最大25倍。

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