さまざまなモノがインターネットに接続し、相互に制御し合うIoT技術。その市場規模は9兆円とも言われ、近年注目を集める分野の1つとなっている。このIoTを消費者にとって特別な存在から、消費者に身近な住宅分野に落とし込み、スマートハウスとして具現化したのがリンクジャパンだ。【AD】
IoTで人々が幸福になるスマートハウスを世に
アルビン・トフラーが唱えた第3の波(情報革命)に続く第4の波はデジタル革命だと言われている。
「デジタルの中でAIとIoTこそが第4の革命だと確信しています」。そう話すのは、河千泰進一CEO。
2010年代に入り注目を集めているIoTは、ソフト、ハード、クラウド、ネットワークなどIT全ての要素を備える技術だ。そして、社会や生活のあらゆる場面でその技術が生かされる。そうした中、河千泰氏が目を付けたのが住宅分野であった。住宅こそが全ての人に共通するインフラであり、IoTを活用することで多くの人々の幸福な生活を実現できると考えたのだ。
しかし、住宅分野のIoTは、「誰でも簡単に」操作ができなければならないというハードルがあった。住宅関連の設備や機器はメーカーや製品が多種多様で、操作もそれぞれ異なるため、「誰でも簡単に」とはいかなかった。そこで「全ての製品に対応するアプリケーションを開発すれば、この問題を解決できるのではないか」と河千泰氏は考えた。
リンクジャパンは14年の設立以来、IoT製品の開発販売から事業をスタート。その後、アプリ開発に着手し、19年11月に「eLifeバージョン1・0」をローンチした。
このサービスは、「1ホーム1アプリ」で、ホームセキュリティ、給湯など住宅設備に関する全ての機能の操作を可能としているのが特徴。セキュリティは鍵メーカー最大手の美和ロックと、給湯も大手のリンナイ、ノーリツとアライアンスを組んでいるのも強みだ。
課題はメーカーも製品の種類も豊富な家電であったが、創業時に開発したスマートリモコンがこれを解決した。家電のリモコンとスマートリモコンを同期させることで、アプリからスマートリモコンを介して家電を操作可能とした。
さらにeLifeはHEMS機器の操作・管理もできる。太陽光発電情報、蓄電池や電気?動?の充電状況の?える化や、タイマー、GPS、温湿度による家電の?動制御など、ユーザーの利便性だけでなく、脱炭素化社会に必要なエネルギーの最適化にも役?つ。現在、アプリはバージョン8・0まで進化している。
「設備や家電が新しくなっても住宅そのものをアップデートすることはできません。しかしeLifeを活用することで住宅を常に最新の状態に保つことができます」
このeLifeの導入をより容易にするのが、20年に開発した「QRリンク」技術だ。あらかじめ全ての機器を設定してQRコード1つに集約、ユーザーがQRコードを読み込むだけですぐに利用できる。ITリテラシーの高くないユーザーもサービスを容易に使えるようにした。
不動産事業者にも新たな価値を生むeLife
ハウスメーカーなどの不動産事業者が単独でIoT化に挑むのはハードルが高い。しかし、eLifeを導入することで、住宅に付加価値が生まれ、不動産のブランド力も向上する。
「私たちはeLifeを導入されたお客さまに対して、お客さまのオリジナルブランドとしてご活用いただくという選択肢を提案しています。リンクジャパンのブランドにこだわるよりも、お客さまやエンドユーザーである消費者の幸福を実現することこそが、私たちの使命であると考えているからです」
これまで不動産は販売すれば売り手と買い手のつながりが終わるのが一般的だった。売り手には買い手とつながり続ける手段がなかったからだ。その点、eLifeはコミュニケーション機能も実装されており、販売後も買い手とつながり続けられる。これは不動産事業者にとっては、従来なかった新たな価値を生み出すものだ。
同社は高齢者の見守りサービスを行うヘルスケアアプリ「eMamo」も提供している。健康管理や安否確認ができ、その機能にはeLifeの技術が生かされている。介護施設でも活用されているというeMamoは、一人暮らし高齢者の増加という超高齢社会の課題解決に大きな役割を果たすことだろう。
eLifeとeMamoの2つの統合アプリは、これまでの住まいに関する概念を一変させ、多くの人々に豊かな未来型の暮らしを提供するものだ。まさに今、革命が始まろうとしている。
設 立 2014年8月 資本金 2,000万円 出荷台数 約30万台 所在地 東京都港区 事業内容 IoTプラットフォーム事業関連の製品・サービスの提供。アプリケーション・クラウド・IoT通信モジュール・LPWA技術関連製品の開発・提供。ビッグデータやAIを活用したスマートライフサービス、見守りサービスの開発 https://linkjapan.co.jp/ |