経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

組織の生産性を高める「Mental-Fit」で新たな市場を開拓ーSEN

SEN セン 代表取締役、建築家 各務太郎(かがみ・たろう)

多くの企業でテレワークの導入が進む中、メンタルヘルスへの関心が高まっている。SENが提供する「Mental-Fit(メンタル・フィット)」は、社員それぞれが自分自身でメンタルを整えることにより、ストレスに強い組織づくりを実現する。

SEN セン 代表取締役、建築家 各務太郎(かがみ・たろう)
SEN セン 代表取締役、建築家 各務太郎(かがみ・たろう)

SENの設立は2018年。翌年「泊まれる茶室」をコンセプトにした外国人向けのカプセルホテルを開業した(現在はコロナ禍で閉業)。そして21年、新たに従業員のメンタルヘルスを改善して組織の生産性を高める法人向けサービス「Mental‒Fit」をスタート。ベータ版の検証を経て、このほど正式版がリリースされた。各務太郎代表は次のように話す。

「コロナ禍の影響によってテレワークが急速に広がったことで、対面でのコミュニケーション不足によるストレスが高まっています。今後は心のセルフケアが当たり前になっていくでしょう。一人一人が自分のメンタルを自分で調整できるプラットフォームを提供したい、という思いからこの事業を立ち上げました」

課題発見(定量的ストレス測定)と課題解決(マインドフルネス)という2段階からなる「Mental‒Fit」は、同社が企業に提供する高精度なストレス測定器で社員自らが計測を行う。毎月のレポートでは、自律神経の機能レベルの数値化や、交感神経と副交感神経のバランスの可視化といった客観的なデータによって、ストレスの傾向が把握できるようになる。

測定で健康的とは言えない数値が出た社員に対しては、日本のマインドフルネス研究の第一人者である早稲田大学人間科学学術院教授の熊野宏昭氏と共同開発した8週間のマインドフルネスプログラムを用意する。これは自律神経に働きかけメンタルを整える1日12分の音声コンテンツで、スマートフォン、タブレットやPCを通じて好きな時に好きな場所で聞くことができる。

「8週間続けるとストレスの溜まりにくい脳の構造に変化していきます。言わば『脳の筋トレ』です」

「Mental‒Fit」の対象顧客は今のところ大手企業が中心だが、今後はストレスが溜まりがちな教育や介護の現場をはじめ、さまざまな業種に拡大する考えだ。

同社の社名の由来は茶人の千利休。「自分と向き合う時間と空間をつくる」を企業理念に掲げるSENが、メンタルフィットネスという新しい市場の開拓に向けて事業展開を加速していく。 

会社概要
設立 2018年
資本金 1億円
本社 東京都中央区
事業内容 メンタルフィットネス事業、抹茶&お香のEコマース事業、空間プロデュース事業
https://www.sen.inc/