オンラインで本人確認ができるeKYC対応のサービス「TRUSTDOCK」を開発。銀行や証券会社など金融業をはじめ150社以上が導入している。業界をけん引する千葉孝浩代表取締役CEOに、システムのメリットと今後の取り組みについて展望を聞いた。
従来の本人確認は、法律により郵送での手続きが主流だったが、免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書をスマホやPCに読み込むことで、スピーディーに本人確認ができるシステムが増えてきている。
「本人確認サービスには、身元確認、リスク確認、住居確認(郵送)といった業務がありますが、当社のサービスは全て網羅しており、必要な業務を組み合わせてワンストップでご利用いただけます。社内のコストが半減し、また面倒な手続きを嫌がるユーザーの離脱も減らします」
千葉CEOはガイアックスで「シェアリングエコノミー×ブロックチェーン」のデジタルID技術を研究し、日本初のeKYC(本人確認)API「TRUSTDOCK」を事業展開。その後、専門機関として独立した。
コロナ禍では、ますますオンラインでの本人確認が求められるようになり、導入企業が増えている。
「例えば人材サービスの短期アルバイトで、明日から就業してほしい人の身元確認もオンラインでスピーディーに行えます。リモートワークでの本人在籍確認も、オンラインで可能なシステムを構築しました。当社のサービスは従量課金制なので、コストにムダがないのも特徴です」
千葉CEOの今後の目標は「財布から身分証をなくすこと」だという。
「デジタル身分証がスマホに入っていれば、財布から身分証をいちいち出す必要はありません。災害が起こって身分証がなくなった時でも、デジタル身分証が登録されていれば、本人確認がしやすくなります。現在、NTTドコモの提供する『本人確認アシストAPI』と連携した、身元確認サービスの開発も行っています」
日本だけでなく、シンガポール、タイでもサービスを展開している。
「海外の銀行口座開設が、身分証アプリで簡単になったり、飲食店でのパスポートの提示がスマホ一つで完結する世界を実現したいです」
SDGsの目標の一つである「全ての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する」ことにも、デジタル身分証明書が役立つと考える。
「難民や貧困国の身分証を持たない人々の問題解決にも、当社の技術で取り組んでいきたいですね」
会社概要 設立 2017年11月 資本金 1億円 本社 東京都千代田区 従業員数 50人 事業内容 eKYC事業(本人確認サービス事業)・デジタル身分証事業 https://biz.trustdock.io/ |