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営業・販売の支援でカスタマー・エクスペリエンスを最大化させる 北川和毅 セレブリックス

北川和毅 セレブリックス

営業・販売支援のセレブリックス。2021年からカンパニー制を導入し、独自のセールスメソッド、セールスデータを活用した法人営業における営業代行・営業コンサルティングを行うセールスカンパニーと、人材と仕組みで顧客の課題を解決するHRカンパニーによって、顧客のカスタマー・エクスペリエンス(CX)最大化に努めている。文=榎本正義(雑誌『経済界』2023年10月号より)

北川和毅 セレブリックス社長のプロフィール

北川和毅 セレブリックス
北川和毅 セレブリックス社長
きたかわ・かずき 1982年石川県生まれ。2005年立教大学経済学部卒業後、セレブリックス入社。11年営業代行事業マネージャー、18年執行役員B2Bマーケティング事業部長、21年取締役セールスカンパニー長、22年4月社長に就任。

カンパニー制の導入で経営体制を刷新

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セレブリックス

 時代に選ばれ続ける営業手法や、最新セールステクノロジーを駆使して、営業代行、営業コンサルティング、営業研修などの法人営業・新規開拓営業を中心とした営業支援サービスを行う営業支援事業(セールスカンパニー)を展開。また、販売員派遣、リアルプロモーション、フィールドマーケティング、人材採用支援など、顧客の人材課題と向き合い、専門性と実行力を兼ね備えた人材で収益向上に貢献する人材支援事業(HRカンパニー)の2事業体でビジネスを行うセレブリックス。1998年に設立された営業代行・営業コンサルティングの先駆者だ。

 「当社に入社すると、まず362ページからなる『顧客開拓メソッド』の研修から始まります。これを基に、顧客の営業部隊に成り代わって商品やサービスの新規開拓を行います。やり方を教えてほしいというところには当社から人を出すのではなく、営業のコンサルティングを行います。当社の創業者はリクルート出身です。当時のリクルートにはしっかりした営業支援のマニュアルがありました。リクルートと言えば営業力に定評があり、営業力を商品にすれば、営業に困る企業の役にたてるはずだというのがセレブリックスの始まりです」と話すのは、セレブリックス社長の北川和毅氏だ。

 顧客はスタートアップから大手企業の新規事業開発部門まで、約1200社、1万2千商品以上の営業を支援してきた。創業時から25年にわたる積み重ねによって、何をすればうまくいくのか、うまくいかないのかといった事例がデータベース化されており、時代に合わせて顧客メソッドを更新し続けているところが競合他社と比べてセレブリックスの圧倒的な強みになっている。

 「サービスを導入した場合のメリットとして、例えばSaaSベンチャーやスタートアップ企業からすると、最初に大きな投資(採用や育成・教育コスト)をすることなく営業組織を持つことができる。今期は顧客開拓をするが、次期はその部分は一端ストップし、サービス開発にシフトしようといったこともフレキシブルにできます。その時のニーズに合わせて営業組織を大きくも小さくも出来るのが我々のようなアウトソーサーを活用するメリットです」

「売れる営業」の仕組み化を実現する取り組み

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セレブリックス

 セレブリックスは「売れる営業」の仕組み化をどう実現してきたのか。

 「顧客は、今期はこれくらいの売り上げ目標だから、毎月何件の商談をしなければならない。それをやって欲しいと。ただ私たちからすると、その売り上げ目標に対する行動量は明確にあるのか、そもそも今、Aというターゲットにアタックしているが、BやCにもアタックしてもいいのではないか。こうしたプロセスを明確にし、戦う仕組み作り、目標達成する成功の方程式を作る活動をしていきます」と北川氏。顧客の期待に応えるために、常に意識してきたのが「顧客起点を重視すること」だったという。

 「お付き合いを継続したい顧客を重視する、という方針に舵を切ったことが当社の大きな転換点になっています。世の中には『売ってなんぼ』という文化や考え方の企業も存在します。しかし、当社では成約に至るまでのプロセスを大事にしているのはもちろんのこと、取引の成立時やその後のあらゆる声に誠実に対応することも重視しています。こうした当社の理念や姿勢に共感し、同じような思いを持っているクライアントに絞ったほうがいいと考えたのです」

 これは北川氏がセールス部門のマネージャーに就任してから取り組んだものだった。当時、組織人員が20人くらいだったのが、現在は500人を超える大所帯にまでなり、飛躍のきっかけになる決断だった。

 「営業をする上で大事にしているのは、顧客の買わない理由を考えることです。他社より価格が高かったからなら、どんな商品・サービスと比べてどれくらい高いのか、あるいは価格は重要なことではなく、機能なのか、どんなタイミングなら導入できたのかなど、顧客が買わないと判断した理由・背景を整理し分析を行います。

 それらを踏まえ、戦略や戦術を私たちの顧客と一緒になって考え、次の活動に繋げるためのマーケティング活動にしていくのです」

 「営業は確かめる行為」だと北川氏は言う。こうやったらうまくいくはずだという仮説を立て、それを営業実践を通じて検証する、ということだ。先月はこのようなトークでいらないと判断した顧客が多かったのなら、今月はこう変えてみよう、といったように、顧客の言葉の裏側に存在するものは何か、と常に想像することが重要だとも。

 北川氏は、部長職から執行役員となり、立場の違いで見える景色も変化していった。そのころから意識するようになったのが、「一人一人が輝けるような居場所を作る」こと。自分の存在は、周りで一緒に働くメンバーありきなのだと気づいたのだ。

 「今やっている営業代行や営業コンサルは、あくまでも手段であって、もっと世の中や多くの企業から選んでもらえるような事業を開発していかなくてはなりません。海外での展開も自問自答しています。私たちのやっていることはコミュニケーションビジネスだと思っているので、例えば地方創生やスポーツビジネスにも私たちのこれまでの経験やノウハウを生かすことが出来ないかとか、多様な業界・業種・エリアにチャレンジしていきたい。そのために、セレブリックスマインドやセレブリックスノウハウを身につけたメンバーを一人でも多く集めて、いろいろなところで活躍してもらえるようにしていくのが私の務めです」

 セレブリックスの社名は「脳をmixさせ、顧客の未来を創造するX」という意味。綴りのCEREBRIXとは、スペイン語のcerebroと英語のmixを掛け合わせた造語。未知数を示すXを語尾に置くことで、多種多様の考えやアイデアを掛け合わせ、顧客の未知なる可能性を広げる、そんな期待とメッセージが込められている。北川氏が進むべき道も、その先にある。