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理想の身体を目指す女性をサポートするトレーニングジム 鹿島紘樹 フィットクルー

鹿島紘樹_フィットクルー

「フィットネスで社会を明るくする」という経営理念の下、大都市圏を中心に宅配食付き女性専用パーソナルトレーニングジム26店舗を展開するフィットクルー。医師監修による健康寿命伸長に特化したジム3店舗とトレーナー養成スクール4校も運営し、今後は全国展開を目指す同社の鹿島紘樹社長にその戦略を聞いた。文=伊藤健太郎(雑誌『経済界』2023年10月号より)

鹿島紘樹 フィットクルー社長のプロフィール

鹿島紘樹 フィットクルー社長
かしま・ひろき 1978年大阪府生まれ。関西大学文学部卒業。明治東洋医学院卒業後、柔道整復師となり、かしま整骨院を開業。2015年トライアス(現:フィットクルー)を設立、社長に就任。趣味はロードバイク。

女性が輝くためのパーソナルトレーニングジム

 もともと自身で整骨院を経営していた鹿島社長が、リハビリにトレーニングを取り入れることによって患者の痛みが軽減し、根本から改善するアプローチになると実感したのが、フィットネス事業に参入するきっかけとなった。

 「治療とトレーニングを併せて提供することで患者が元気になっていくのを目の当たりにし、整骨院は撤退してジム事業に一本化することを決意しました」

 整骨院時代から患者には女性が多く、そうした女性の身体の悩みに対して安心してトレーニングを行うことができる環境が必要だと考えた鹿島社長は、2015年、大阪市中央区に女性専用のジム「UNDEUX SUPERBODY」の1号店を出店した。

 女性のダイエットとボディメークのプロフェッショナル集団である同ジムでは、一流のトレーナーが会員の体型・体質・目的に合わせたパーソナルトレーニングと食事指導を行っている。まずは2カ月から3カ月の短期集中コースで劇的な変化を実現した後、リバウンド防止のためのアフターメンテナンスコースで継続して健康と美容に向き合える仕組みを提供する。

 「会員は20代から50代の幅広い年齢層の女性が中心であり、女性のキレイを叶えるためのジムとして皆さまからご好評を頂いております」

 現在、東名阪を中心に26店舗を展開し、着々とそのネットワークを拡大しているが、課題となるのはトレーナーとなる人材の確保だ。同社では「正しい知識と技術を学び、信頼されるパーソナルトレーナーを育てる」という事業理念を掲げる養成スクール「プロジム」も自社で運営している。

 「パーソナルトレーニングジムにおいて、もっとも重要な商品はトレーナーです。優秀なトレーナーを顧客に提供し続けるためにも、トレーナーの育成はジム経営には欠かせません」

 この「プロジム」では、各教科ごとに現役で活躍する一流の講師陣による直接指導が特長で、パーソナルトレーナーに関する各種資格が取得可能になっている。「UNDEUX SUPERBODY」の2店舗目がオープンしたというタイミングでスタートしているが、その狙いについて鹿島社長は「創業当時から商品がトレーナーであると強く意識し、事業の中で人づくりが欠かせないと考えていました」と語る。スクール運営による売り上げの発生に加え、卒業した優秀な生徒を順次ジムに採用する事ができるという好循環な仕組みになっている。

 「UNDEUX SUPERBODY」が女性専用に特化した理由については、女性ならではのファッションに関する悩みを挙げる。

 「多くの女性は、ファッション関連にそれぞれ悩みを抱えています。例えば、あの服が着たい、夏には痩せて水着が着たい、結婚式でこのドレスを着たい、など悩みのほぼ9割がファッションに関連するものではないでしょうか」

 その上で、フィットネス市場の中でも同社のジムに競合するのは他のフィットネスジムではなく美容クリニックであると考えている。

 「『UNDEUX SUPERBODY』は身体を鍛えに行く場所ではなく、キレイを創る場所です。筋骨隆々な身体への憧れではなく、ファッション感度が高い女性ニーズに適合するようにサービス設計を意識しています。コンプレックスに悩む女性を元気にしたいからこそ、キレイになりたいと願う女性に対して徹底的に寄り添うことが弊社の事業の根源です。そのための女性専門ジムであり、キレイを叶えるためのボディメークメニューを研究開発し、事業を通じてお客さまに提供し続けていく必要がありました。そうして顧客のキレイを叶え続けることがわれわれの価値と考えています」

株式会社フィットクルー

医師が監修する独自のトレーニングジムをオープン

 また、同ジムが提供するサービスの中でもユニークなのが、健康宅配食の無料提供だ。ダイエットとボディメークの目標を達成して理想の身体を手に入れるためには、トレーニングだけでなく栄養バランスの改善も重要になるが、忙しい日々を送る女性が毎日バランスの取れた食事を用意するのは難しい。

 「当初は、管理栄養士が会員の食事に対して栄養管理やアドバイスを行っていたのですが、会員数が増えるにつれ全員分の栄養管理を行うのが難しくなってきました。そこで、宅食提供を行っているナッシュと業務提携を行い、糖質制限宅食を会員の自宅に配送することで、効率的な栄養管理を行っています」

 自宅まで糖質制限食が届き、ダイエット中でも食事を楽しむことができるというこの仕組みは、会員からも支持を集めているという。

 さらに同社では、22年10月より新たな事業として医師が監修するジム「Dr.plus Fit(ドクタープラスフィット)」の展開もスタートした。人生100年時代といわれる中で「健康問題を運動と栄養で解決するパーソナルジム」として、すでに大阪で3店舗オープンしている。

 同ジムでは、多彩な資格を持つトレーナーが徹底したカウンセリングで会員の悩みと向き合った上で、ダイエットだけでなくアンチエイジングや慢性痛といった悩みに関して根本原因の改善に取り組む。ジム内にはさまざまなトレーニング器具を用意し、専属トレーナーによる完全オーダーメードのトレーニングメニューを作成して無理なく楽しく運動できるように指導するとともに、食事相談なども無料で対応する。レンタルウエアやシューズも用意しているので、仕事帰りに手ぶらで立ち寄ることも可能だ。

 「現在、『UNDEUX SUPERBODY』がターゲットとしている20代から50代の女性だけでなく、年齢の幅をもっと広げていきたいと考えています。医療費による財源圧迫が社会問題となっていますが、マンツーマンのトレーニングと食事指導を行うことで、ダイエットや加齢による体力の低下、体型の崩れ、慢性痛の改善をサポートする環境を提供していきたいですね」

鹿島紘樹 フィットクルー社長
かしま・ひろき 1978年大阪府生まれ。関西大学文学部卒業。明治東洋医学院卒業後、柔道整復師となり、かしま整骨院を開業。2015年トライアス(現:フィットクルー)を設立、社長に就任。趣味はロードバイク。