経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

事業構造転換で人財戦略も変化。多様性を高める「意識変革」 尾賀真城 サッポロホールディングス 

サッポロ 尾賀氏

(雑誌『経済界』2024年9月号「総力特集 人材育成企業2024」より)

サッポロ 尾賀
サッポロホールディングス 尾賀真城

サッポロホールディングスは2026年、創業150年を迎える。そこでこの年を最終年度とした中期経営計画を策定、現在遂行中だ。

中計の基本方針は「Beyond150~事業構造を転換し新たな成長へ~」。「事業戦略」「財務戦略」「サスティナビリティ」を3本柱としてさらなる成長を目指そうというものだ。

これを実現するために、経営基盤の柱として位置づけているのが人財だ。

サッポロHDは、北海道開拓使をルーツとすることもあり、人に、ものに丁寧に向き合い育ててきた会社だ。社員のエンゲージメントも高く、3年離職率なども低いという。

しかし事業構造を転換すれば、求める人財も変わってくる。そこで中計に合わせる形で人財戦略も見直した。従来の強みをベースに、多様性をより高めるなど、「ちがいを活かして変化に挑む越境集団になる」ことを目指している。

そのためには社外の人財も積極的に活用する。これまでも中途採用は行っていたが、20~30代が中心。しかしこの人財戦略では、マネジメントクラスの高度キャリア人財の採用にも取り組んでいる。

新しい施策は軋轢を伴う。歴史ある会社ならなおさらだ。その軋轢を軽減・解消するには、社員一人一人の意識変革が必要だ。そこで尾賀真城・サッポロHD社長以下、経営陣自ら人財戦略を徹底させ、社内への浸透にスピードを上げ取り組んでいる。

意識改革が末端にまで浸透させることができれば、中計で描く新しいグループの姿が現実味を帯びてくる。