経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

VRによるオンライン空間 この新たな表現手段がビジネスを加速させていく 平井 靖 セキュアロジック

平井 靖(ひらい やすし) セキュアロジック

新型コロナ禍を機にオンライン展示会の発注が増え、事業を拡大してきたセキュアロジック。松下幸之助の言葉「無理に売るな、客の好むものを売るな、客のためになるものを売れ」をモットーに、社会貢献の意識を持ちながら、VRの次の世界を創造し続けている。(雑誌『経済界』2024年12月号「総力特集 強い組織の流儀」より)

平井 靖 セキュアロジック
平井 靖(ひらい やすし) セキュアロジック

平井代表は、第二電電、ツーカーセルラー東海、日本ヒューレットパッカード、ソフトバンクBBで、通信系の業務の立ち上げやコンサルティングに従事。その後、SBIの北尾吉孝社長の下でSBI大学院大学の設立に携わった。もともと独立志向だったこともあり55歳で起業したが、最初は苦労の連続であった。

「出展者から年に3日程度しか開催しない展示会へ多額なお金を投じても、思うような集客ができないという声が多くありました。そこでオンライン展示会と連携させることで商機をつかむ機会をご提供したいと考え、システムを開発しました。しかし起業後の6年間はなかなか受注に至らず、撤退寸前でした」

ところが2020年からの新型コロナ禍でリアルな展示会ができなくなり、オンライン展示会システムへの発注が押し寄せた。

「弊社は縦組織の体制は取らず個々人に細かく指示は行いません。スタンドプレーから生じるチームワーク方式で、各自が自立しながら連携して仕事をこなしていきます。おかげで複雑な多くの案件を成功させてきました。新規の話は断らず、難しい課題にもチャレンジしてきたことでノウハウを蓄積し、システムを発展させています」

同社のクラウド展示場システム「エアメッセ」は、VRのデザインは自由自在なままで来場者管理、情報収集といった機能を組み込んでおり、新しい可能性を広げている。

VRはアプリのインストールをせずブラウザで動作する仕組みなので、パソコンやスマホだけでバーチャル空間を体験できる。

一昨年制作したバーチャル商店街では店内までくまなく撮影して体験型のVR店舗を創った。中には3カ月先まで予約でいっぱいになったお店もある。

今後はAIによる展示ブース紹介コンシェルジュやVR専用の大規模プラットフォーム構築にも力を入れていく。

中村天風の「どこまでもまず人間をつくれ。それから後が経営であり、あるいはまた事業である」を経営に生かす。「私は65歳ですが、若さを維持して90歳まで働き続け社会に貢献していくつもりです」。 

会社概要
設立●2014年11月 資本金●500万円
本社●神奈川県横浜市青葉区 従業員数●4人
事業内容●オンライン展示会やショールーム、バーチャル商店街、学生向けオンライン図画コンクール、大学向けオープンキャンパスなど、各種VR空間の制作・コンサルティング
https://www.securlogic.co.jp/