経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

人とモノをつなぐ橋渡しをリユースサービスで支援 ていねいさと安心が強み 両角道生 両角商店

両角商店 両角道生

「REON」の名で地域に根差したリユースサービスを行ってきた両⻆商店。代表の両角道生氏は40歳の時に最初の会社を畳み、両⻆商店を起業。2024年、これまでの実績を発展させる形で法人化。環境意識の高まりを追い風に、さらなるリユースの可能性を切り拓く。(雑誌『経済界』2025年2月号「新風のリユース業界」特集より)

両角商店 両角道生
両角商店 両角道生

 両角代表は、かつて通信サービスの営業として執行役員まで上り詰め、独立・起業した。ところが社員の不正が発覚し、事業継続が困難となったことから、会社を畳んで一からやり直すことを決めた。

 「会社員時代の同僚がリサイクルの仕事をしていたので、一緒にやらせてもらうことになりました。軽トラックで不要品を回収していくのですが、これまでの『説得が9割、納得が1割』の営業とは異なり、困っているお客さまから声をかけてもらえるのが新鮮でした」

 「リユース市場は伸びる」と手応えを感じ、アルバイトを通じて1年かけてリユースの基礎を学んだ。

 同社の事業は、不要品の片付け、リユース品の買取・販売。自社の店舗販売を始め、ネット販売サイトやフリマアプリ等も活用している。

 「当初は採算が取れるかどうかという最低限の価格でサービスを提供していましたが、丁寧な仕事がお客さまからの高い評価となり、クチコミを通じて依頼が増加していきました」

 その後、メルカリの登場によって、社会全体でリユースに対する抵抗感がさらに薄まった。SDGsへの意識の高まりも事業に追い風となった。

 「自分が使ってきたモノを捨てるのではなく、次の人に使ってもらえるよう『見送る』と考えると、安心して手放せる方が多いようです」

 現在、リユース市場は3兆円規模に成長しているが、両角代表は「使わなくなったモノを心置きなく手放せる環境をつくる」ことを軸に、次の事業展開を見据える。

 「リユース品の生活家電や家財をレンタル形式で提供することで、購入からレンタルへのシフトを促し、不要品の処分を減らしてゴミ削減やリユース促進に貢献します。さらに不要品回収とレンタルを組み合わせることで、回収から再利用までをワンストップで対応できる事業を検討中です」

 「REON」には、リユースやリボーンの「Re」で、価値を生み出すという思いも込めた。

 「この仕事を通じて再出発を果たしました。お客さまにもリユースを通じて新たな一歩を踏み出すお手伝いをしていきたいですね」

会社概要
設  立 2024年3月
資 本 金 100万円
本  社 東京都江戸川区
従業員数 5人
事業内容 不要品の片付け、リユース品買取・販売
https://www.morozumishouten.com/
[REON] https://reon-recycle.com/